難関、全経簿記上級に合格 宇都宮商高3年水越さん「貢献する公認会計士が夢」

簿記能力検定試験上級に合格した水越さん

 【宇都宮】宇都宮商業高3年水越美蘭(みずこしみらん)さん(17)が、全国経理教育協会主催の簿記能力検定上級に合格した。「上級」は大卒レベルとされる難関で合格率は14.14%だった。水越さんは「合格は通過点だが、将来は公認会計士となり社会に貢献したい」と夢を膨らませている。

 全経簿記上級は商業簿記、会計学など4科目の受験が必要。7月の試験では社会人を含む1811人が受験し、256人が合格。合格者には税理士試験受験資格が付与される。

 水越さんは1年時から授業前と放課後を含め、コツコツと勉強に励んできた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で顧問の指導を直接受けられない期間も乗り越え、根気強く向き合ってきたという。

 全経簿記上級の手応えはなかっただけに、9月に合格の一報を受けると号泣した。水越さんは「財務諸表で会社の経営状況が分析できるところに勉強の奥深さと楽しさがある」と話す。

 既に全国商業高等学校協会が主催する検定9種目の1級を取得、11月の日本商工会議所(日商)簿記1級に向けて取り組んでいる。3年間担任で放課後も指導を続けている長塚幸孝(ながつかゆきたか)教諭(49)は「理解するまでとことん聞くタイプ。雑音も気にしない集中力は見事で、クラスでもリーダー格」と信頼も厚い。

 水越さんは「現在、コロナ禍で倒産に追い込まれる企業もある。そんな苦境に立つ企業を幅広い視野で経営的にアドバイスできる公認会計士を目指したい」と話している。

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