沖縄産ライスウイスキー販売へ 久米仙酒造の沖縄BLUE8年 県内外から注目

 久米仙酒造(沖縄県那覇市、比嘉洋一社長)が製造した泡盛古酒を生かした「ライスウイスキー」の国内販売に、県内外から注目が集まっている。同社は「沖縄BLUE8年」の商品名で11月に一般販売を予定するが、9月末からクラウドファンディング「Makuake(マクアケ)」で始めた先行販売では、12日現在で300人以上が購入し、応援総額は700万円を突破している。 久米仙酒造では、これまで海外限定で沖縄の気候や風土を生かしたライスウイスキーを販売してきたが、国内販売を望むファンからの要望に応え商品化した。

 国内でウイスキーを販売するには税法上、原酒の割合で10%以上の麦芽から造られたモルトウイスキーをブレンドする必要がある。そのため、泡盛の古酒を樽熟成して仕上げた貯蔵酒に、相性の良い8年熟成のスコットランド産モルトウイスキーをブレンドした。瓶詰めした後も熟成が続く泡盛のように、年を経るごとに香りは芳醇(ほうじゅん)に、口当たりはまろやかに変化するのが特徴という。

 担当者は「沖縄産のライスウイスキーに驚く人もいるが、ウイスキーは寒冷地で造るものという常識を覆した台湾の『カバラン』も世界的に評価されている」と指摘。比嘉社長も「泡盛の新たな可能性を感じてもらいたい」と話し、商品への自信をのぞかせた。

 商品の希望小売価格は消費税と送料込みで1万2千円、11月中旬から久米仙酒造のウェブサイトで限定販売する。現在はマクアケのみで取り扱われ、9900円で販売している。 (当銘千絵)

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