【ドラフト】鷹ドラ1風間はなぜ壮大な目標“300勝”を掲げたのか? 現燕コーチと交わした約束

ソフトバンクから1位指名を受けたノースアジア大明桜・風間球打【写真:川村虎大】

ソフトバンクから指名あいさつ、色紙に「300勝、160キロ」と掲げる

「300勝、160キロ」。11日の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」でソフトバンクから1位指名を受けたノースアジア大明桜の風間球打投手は、力強く色紙に書き込んだ。NPBの歴史でも6人しかいない300勝という大きな夢を掲げたのには理由があった。

ドラフト会議から一夜が明けた12日。ソフトバンクから永井智浩編成育成本部長兼スカウト部長らが同校に指名あいさつに訪れた。対面後の取材では、前日11日は18歳の誕生日だったということもあり、チームメートからサプライズでケーキを用意されたこと、福岡で「豚骨ラーメンを食べたい」といった話題など、和やかな雰囲気だった。

ただ、目標を聞かれると表情が変わった。「300勝を挙げたい」。はっきりと述べると、写真撮影では、用意された色紙に「300勝、160キロ」と書き込んだ。この壮大な目標を掲げたのは高校2年の終わり。尾花高夫・現ヤクルト2軍投手チーフコーチの言葉が決め手だった。

尾花氏からは入学から2年夏まで指導を受けていた

「俺は100勝を目標にとどめていた。(100勝を)達成したら気持ちが緩くなってしまった。お前ならもっと勝利を挙げられる」

尾花氏には入学時から2年間指導を受けた。その中で常に言われた言葉は「制球と変化球を磨け」。世代最速とされる157キロを計測した直球に注目が集まっているが、スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップなど多彩な変化球も操れるようになった。

2年の終わり、風呂場で2人きりになった時に冒頭の言葉を伝えられた。「高い目標を持とう」と、300勝を挙げることを誓った。

それから1年弱。まずは勝負する舞台に立つことができた。尾花氏の通算勝利数は112勝。その2倍以上もある大きな目標に向け、「まずは早く1軍に上がって戦力になりたい」と、1歩ずつ階段を登っていく。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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