衆院選長崎4区 佐世保市議が出馬表明 波紋 公認争いに「失望した」

 佐世保市議会の自民党議員、萩原活(ひろし)氏(61)は12日に記者会見し、衆院選長崎4区への立候補を正式表明した。今年6月まで党佐世保支部幹事長を務め、衆院議員の北村誠吾氏(74)=7期目=を支える立場だっただけに北村陣営は驚きを隠せない。北村氏と西海市区選出の県議、瀬川光之氏(59)の公認争いに「失望した」と語る萩原氏。議員辞職願や離党届も提出しており、退路を断っての出馬は選挙戦に波紋を広げそうだ。
 12日午後、佐世保市役所。「自民党内のごたごたが選挙への無関心を招いた。党への批判を受け止める選択肢になりたい」。会見に臨んだ萩原氏は出馬理由をこう説明した。
 4区では、北村氏の地方創生担当相時の不安定な国会答弁などを理由に、複数の党地域支部、職域支部などが前県議会議長の瀬川氏を公認するよう要求。県連は選挙対策委員会の意向調査(投票)で北村氏を上回った瀬川氏を党本部に公認申請し、最終判断を委ねた。この間、両陣営は党本部や重鎮に働き掛けるなど4区内の溝は深まっている。
 萩原氏は自らの出馬をごく一部の関係者にだけ伝えており、北村陣営は「寝耳に水だ。何を考えているのか…」と頭を抱える。「保守票の一部を奪われ、野党を利することにならないか」と懸念する声も。公認争いで北村氏を推す党佐世保支部の関係者は「萩原氏の出馬は党本部の耳にも入るはず。公認の行方に影響が出ないだろうか」と不安そう。瀬川氏は「どういう意図で出馬するのか分からないのでコメントできない」とだけ述べ、選挙戦への影響を読みあぐねているようだ。
 一方の野党。立憲民主党から立候補予定の新人、末次精一氏(58)は「選択肢が増えるのはいいこと。どんな構図になっても自らの主義や主張を訴え続けるだけだ」と意に介さない。
 4区には、元大学助手で新人の田中隆治氏(78)も出馬の意向を示している。


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