【MLB】大谷翔平は「3~5年は今のレベルで出来る」 エ軍名物解説が太鼓判、来季への期待は?

エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

名物解説グビザ氏にインタビュー、大谷は「文句なしでMVP。全会一致でMVPになるべきです」

エンゼルスの大谷翔平投手は投打の二刀流選手として9勝&46本塁打と今季のMVP最有力候補に挙がる大活躍を見せた。地元放送局「バリースポーツ・ウエスト」の名物解説、マーク・グビザ氏がFull-Count編集部のインタビューに応じ、今季の投打に渡るフル回転を大絶賛。昨季までと今季の違い、さらには来季への期待など大いに語った。

――今季の大谷の活躍は。
「私が今までに見た中で、おそらく最もアメージングなシーズンだと思います。打撃、走塁、守備、投球。どれも実に素晴らしかった。そのようなシーズンを私は今までに1度も見たことがない」

――本拠地の試合で解説してきた。インパクトを受けた試合は。
「まずはじめに投手としてエース級の力を持っています。だから投手陣にインパクトを与えます。そして非常にダイナミックな打者です。フェンウェイパークで放ったホームランが私の好きな場面ですね。なぜならあの場面は9回で勝ち越しの一発となりました、マット・バーンズはレッドソックスの守護神で(8回2死の場面から登場して)素晴らしい投球をしていました。(大谷の一打で)エンゼルスに勝つチャンスが生まれたのです」

――投手としては。
「ストライクゾーンを操る制球力は過去に見られないことでした。2018年の時でさえ四球をある程度出していました。ここへ来て、突然全く四球を出さなくなりましたね。ストライクをたくさん取るようになり、少ない球数でゴロアウトも増えました。そして、いざという時のために直球を温存しています。99~100マイルに球速を上げられますし、その直球を正しいタイミングの時に使えるように残しています。(試合の結果を左右する)踏ん張りどころで良い投球ができる能力は驚異的ですね」

――9勝&46本塁打をマーク。元祖二刀流のベーブ・ルースと比較されていた。
「私は過去の数字などを振り返って、ベーブ・ルースが具体的にどれほど凄かったのかを調べようとしました。今年のショウヘイはベーブ・ルースを上回る活躍をしていると思います」

――MVP争いでは最有力候補となっている。
「文句なしでMVP。ゲレーロJr.もペレスも素晴らしいシーズンを過ごしましたが、ショウヘイが全会一致でMVPですね。そうなるべきです。誰もこんなシーズンを送ったことはありません。エンゼルスはプレーオフに進出しないと論じる人がいるでしょう。しかしながら、(トラウトやレンドン、アプトンがいない状況で)自分自身の力で今の活躍をしています。もしMVPにならなかったら、私はただただショックを受けるでしょう」

地元放送局「バリースポーツ・ウエスト」の解説者マーク・グビザ氏【写真:小谷真弥】

解説グビザ氏は大谷を「ショウヘイ」と呼ぶ「グビさんと呼んでくれます。光栄に思います」

――大谷はグラウンド内外で笑顔を見せるようになった。
「今年見せた個性は素晴らしいですね。楽しんでいますし、時には感情を表に出していました。オークランド戦で先発登板した時にチャップマンから三振を奪い、降板した際に拳を握っていました。健康でありながら感情も出すようになっています。ファンだけでなく、ダグアウト内のチームメートたちにとっても良いことだと思います」

――大谷との距離感(関係性)はどうか。
「今年は(以前より)少し近い存在になったと思っています。私のことを『グビさん』と呼んでいます。そう呼んでくれて光栄に思います。私は気に入っています」

――大谷をなんと呼んでいるか。
「ショウヘイですね。凄く敬意を抱いていますから。解説をしている時は『ショータイム』や『ショウヘイ・ザ・マネー』と呼んでくれます。『ザ・マネー』とはここでは『素晴らしい選手』という意味で使うんです」

――去年までと今年の違いは。
「一番の違いは健康だということです。そして、いつも言っていることですが、メンタルも本当に強いと思います。クリエイティブであり、健康であり、メンタルも強い。それらすべてが噛み合っています」

――体もでかくなっているように見える。
「肩を見れば分かりますが、野球をする上でパーフェクトな体つきをしています。速くて力強くて、柔らかさもある」

――来季に期待することは。
「今年は誰もやったことがない活躍をしています。私個人としては、今の活躍が何年もできると思っています。3~5年くらいは今のレベルのプレーで出来ると思っています。誰も実力を疑うことはできません。今年の活躍は本当に特筆すべきことです」(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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