【10年で90%越え】アンケートでわかったシニア女性のスマホ事情

いまやシニア世代がスマホやPCを持つのは珍しくないこと。むしろ、生活の上で欠かせないツールとなりつつあります。シニア層のデジタル化はどんどん進み、さまざまなデバイスを使いこなすデジタルシニアも登場するなど、その勢いは止まりません。

かつてから時流やトレンドには女性のほうが敏感な人が多いですが、それはシニア層にも言えるようです。50代からの女性誌「ハルメク」を発行する(株)ハルメクの「生きかた上手研究所」は、55~74歳の女性527名を対象に「デジタルとネットの活用についてのアンケート」を実施しました。同調査ではシニア女性のスマホ保有率や、デバイスに対する意識の高さが明らかとなりました。

【調査概要】
調査の方法:郵送アンケート
調査の対象:55~74歳の女性
有効回答数:527名
調査実施日:2021年は、6月15日~8月3日に実施(一部の地域で緊急事態宣言下中)
※2011年から毎年実施、回答者数はそれぞれ異なる
調査主体 :(株)ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所

シニア女性のスマホ保有率が大幅伸長

2021年調査回答者527名にデジタルデバイスの保有について聞いてみると、全体の98.5%が、PC・スマホ・タブレット・ケータイ(ガラケー)のうち、少なくとも1つを保有していると回答。4種のデバイス保有率の推移を見ると、なんとスマホ保有率は2021年は90%超え!2011年のスマホ保有率は0%でしたが、2021年は92.2%と大幅伸長しました。ケータイ(ガラケー)保有率が10%を切り。僅かではあるもののPC保有率が2年連続で増えています。

また、相対的には少ないですが、スマートウォッチ・スマートスピーカーの保有率も上昇しています。

コロナ禍の影響あり?スマホデビュー、ネットショッピング利用するシニア女性が増加

次に保有歴について聞いてみると、2021年は50.9%がスマホ保有歴3年目以下、42.8%が4年目以上とおおよそ半々という結果になりました。昨年比で見ると、「スマホデビュー」した「保有1年目以下」の割合は7.9ポイントアップ。このことから、コロナ禍のオンライン普及が影響していると考えられます。

スマホデビューと同様に、コロナ禍の影響を感じられるのがネットショッピングです。2021年では、シニア女性の2人に1人(527名中253名)が、ネットショッピングの利用経験があると回答しました。ネットショッピングは昨年、今年にかけて急伸していますが、特に昨年から今年にかけては7.3ポイントアップしています。

では、ネットショッピングはどのデバイスで行なっているのでしょうか。2021年では、OC保有者218名の51.4%が、スマホ保有者486名も39.3%が買い物経験があると回答。年々スマホの買い物率は年々増加傾向にあるものの、現段階ではまだPCでの買い物率のほうが高いとわかりました。

実際に、シニアをターゲットにしたECサイトも続々と生まれています。

→シニア女性に特化したECサイトの記事を読む

デジタルに対する意識の高さが見受けられるシニア女性

上記の回答からシニア女性のデジタルやオンライン化に対する意識が年々高まっていると考えられます。それを顕著に表しているのがデジタル庁の認知です。2021年9月1日に設置されたデジタル庁について、全体の86.0%が認知していることがわかりました。しかし「期待している」のは17.1%に留まっています。ですが、デジタル庁について「内容も知っている」人69人のうち、31.9%が「期待している」と回答していることから、内容を知っている人ほど期待している割合が高いことがわかりました。

シニア女性がデジタル庁に期待していること

デジタル庁について期待していることを聞いてみると、最も期待することは「セキュリティ強化」で56.7%でした。次いで「行政サービスの向上」50.0%、「デジタル弱者の救済」47.8%、「医療とデジタルの融合」38.9%、「簡単で使いやすい機器の販売や仕組みの導入」36.7%という結果となりました。「医療とデジタルの融合」の先駆けといえば、昨年から始まったオンライン診療が挙がられますが、今後もシニアにわかりやすい医療とデジタルの融合が進むことを期待するばかりです。

年齢を重ねても進化し続けるシニア女性

今回の調査から、シニア女性のデジタル化に対する意識の高さとともに、年齢を重ねてもなおトレンドに敏感であったり、新しいことに挑戦したりする姿勢が垣間見れたのではないでしょうか。イキイキと輝き続ける日本のシニア女性は、日本を元気にする存在と言えますね。これからのシニア女性の活躍に期待大です。

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