鷹マルティネス7回零封でも勝てず… チームはサヨナラ負けで3位楽天と6ゲーム差

好投も報われなかったマルティネス(東スポWeb)

またしても報われなかった。ソフトバンクのニック・マルティネス投手(31)が13日の楽天戦(楽天生命)で7回4安打無失点の快投。17試合連続クオリティースタート(QS=先発6回以上、自責点3以下)をマークして、日本ハム時代の2018年以来となる2ケタ勝利が目前だったが、この日も援護の少なさに泣いた。

毎度の安定感だった。威力ある真っすぐは最速153キロを計測し、高めの釣り球に相手は面白いように食いついた。チェンジアップ、カットボールのコンビネーションもさえ、8三振を奪った。4四死球はらしくなかったが、淡々とスコアボードに0を並べ続けて打線の援護を待つのみだった。

嫌なデータがあった。今季の楽天戦は2戦2敗。対戦防御率4・26は球団別ワーストという戦績が残っていた。ただ、2試合ともQSを達成。試合前、工藤監督は「楽天にだけ相性がよくないんだよね」と気にかけていた。

この日も、その相性の悪さを肯定するような展開だった。打線が6回まで散発3安打の無得点。今季、何度も見てきた〝見殺し〟の光景が中盤まで広がっていた。7回に女房役・甲斐の適時打で均衡が破れ、勝利投手の権利が舞い込んだが、それもぬか喜びだった。8回に失策が絡んで3番手・板東が同点を許し、マルティネスの勝ち星は消滅。前日に「チームに勝ちをつけられる投球がしたい。リズムよく抑えて、流れをもってこられるように」という言葉通り見事な投球だったが、打線が応えられず節目の10勝目はまたもお預けとなった。

チームは9回に守護神・森が打たれて、1―2のサヨナラ負け。マルティネスの好投むなしく、CS進出を争う3位楽天と6ゲーム差に広がった。常勝軍団・ソフトバンクの5年連続日本一の可能性がさらに険しくなった。

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