“悩めるルーキー”阪神・佐藤輝 OB・柏原純一氏が注目する「スタッツ」と「復調のカギ」

13日の試合は代打出場だったが…

このままシーズンを終えるのか…。13日の巨人戦(東京ドーム)を2―2で引き分け、逆転Vが日に日に厳しくなっていく阪神で、悩ましいのが不振に苦しむルーキー・佐藤輝明内野手(22)の起用法だ。

前日12日は右前打を放っていたが、この日はベンチスタート。4回に代打で登場し、一ゴロに倒れて出番を終えた。

シーズン後半は3本塁打。持ち味のアーチは、約2か月出ていない。この間、59打席連続無安打などもあり、現在もまだ完全には不振脱出とはなっていないが、この男に当たりが戻るかどうかは、CSなどの先々を見据えても大事な要素だ。

「前半のように打ちまくるという期待を、使っている監督も、もうしていない。それでも彼の将来を考えて、この後も起用を続ける。ならばより目標設定を細かくして取り組ませるのも手」と、指摘したのは阪神、日本ハムで打撃コーチを務めた柏原純一氏(評論家)。同氏はあるスタッツに注目しているという。

それはスタメン出場時の打席ごとのアベレージ。ここまでの打率は2割3分7厘で、打席別では2割1分台(第1打席)→2割4分台(第2打席)→2割6分(第3打席)→2割4分台(第4打席)と推移し、スタメン時は9本塁打、10四球と、第3打席が最もいい数字となっている。

「多くの選手がそうだけど佐藤輝も3打席目。先発投手のその日の球をひと通り見て、そのうえで対応できるから。これまでの対戦経験を踏まえ、いかに打席プランを綿密に立て、1、2打席目の早い段階で対応できるか。準備力が問われているし、首脳陣もそこを見ていると思う」(柏原氏)

3打席目の感覚を、試合序盤で発揮できるようになれば、シーズン終盤でも「それなりのチームへの貢献にはなるはずだし、思い切って先発で出たときの投手だけは『必ず攻略』ということに重きをおく。予告先発だし、ゲーム前からできることはいっぱいある」と、1、2打席目で勝負をかけるべきだとした。

終盤、犠打や犠飛など進塁打が必要な場面で、佐藤輝に「代打」を送る起用は今後もあるだろう。怪物ルーキーがシーズン終盤に再び爪痕を残すためには、試合序盤でのバットの〝瞬発力〟がより鍵を握りそうだ。

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