コロナ禍における新たな就職支援とポストコロナを見すえた取り組み

学生一人ひとりに寄り添った就職支援に定評がある東京経済大学。新型コロナウイルス感染症の拡大というかつてない状況に見舞われるなかでも、オンラインを活用した支援活動にいちはやく活路を見いだしてきました。

就職力を高めるための特徴的な取り組みにはじまり、コロナ禍における就職環境の変化に不安を抱く学生たちへのサポート。そして、ポストコロナを見すえた支援体制の展望まで、学生支援部においてキャリアセンター長を務める齋藤隆大さんや、実際に就職支援を受けた学生にお話をうかがいました。

1年次からはじまる就職活動への意識づけ

東京経済大学のキャリアセンターでは、非常勤を含め20名以上のスタッフが常時さまざまな就職支援活動を行っていますが、その特長は大きく3つあると、キャリアセンター長の齋藤さんは語ります。

「1つめは、1年次から開始される就職支援です。1年次の少人数ゼミの授業のなかで行うキャリアガイダンスにはじまり、2・3年次には全員面談を実施。より早い段階から職業観を育むことで、将来のキャリアを見すえてどんな大学生活を送るべきか、学生の皆さんに逆算して意識・行動していただくことがその目標です。

同時に1年次からキャリアセンターのスタッフと交流を図ることで、スタッフを身近な相談相手と考えてもらい、キャリアセンターを利用するハードルを下げることができればとも考えています」

こうした取り組みについて、実際に支援を受けた学生からは「1年次から就職活動への意識づけがしっかりできていたので、3年次から万全の態勢で活動をはじめ、4年次の4月初旬には、自分が志望した金融業界で内定を得ることができました。ワークショップなどの少人数授業も多く、就職活動で求められるコミュニケーション能力を実践的に磨くことができたのも、自分にとって大きなアドバンテージになったと感じています」と、好意的な意見を聞くことができました。

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オンラインを活用し、学生一人ひとりに寄り添った支援を展開

2つめの特長として挙げたのは、学内合同企業説明会への取り組みです。

「8月を除いて毎月必ず1回は実施していますが、4年生が卒業をひかえた1~3月というギリギリの時期まで開催している大学は、かなり少ないと思います。多くの4年生は10月までの内定獲得をめざしていますが、それ以降に内定を得た学生も、本学では全体の約2割程度おります。そういった意味でも、最後まで粘り強い支援を続けていきたいと考えています」

そして、3つめの特長として挙げられたのが、学生一人ひとりに寄り添った個別の就職支援です。

「個別面談に関しては年間で1万件以上行っています。基本的には学生の希望に応じて実施しますが、キャリアセンターからメールやハガキを送ったり、あるいは直接電話をかけたりすることで、支援行事の案内や就職活動の状況を確認する取り組みも積極的に行っています。こうした活動を通じて、就職活動へなかなか動き出せていない学生たちを掘り起こすことをめざしています」と齋藤さん。

2020年はコロナ禍により、3月下旬の段階で対面での対応が難しくなったことから、これまで対面で行ってきた支援行事の大半をオンラインで実施できる体制を4月上旬に確立。早急な対応が功を奏し、例年と変わらない面談件数を行うことができたそうです。

オンラインによる個別面談は、担当スタッフの指名から日時の選択まで、すべてWeb上で事前予約を可能とし、学生からの評判も上々。就職活動の悩み相談やエントリーシートの添削指導、Web面接対策といった就職支援は大きな助けになったようです。

ほかにも学生から好評だったのが、オンラインを活用した「就活なんでも相談会」。対象となる3年生や4年生の質問に、キャリアセンターのスタッフやカウンセラーがリアルタイムで回答するこの取り組みは定期的に開催されましたが、コロナ禍による生活の変化に不安を感じた学生にとって、大きな力になっているようです。

実際、2020年に就職活動を行った学生からは「キャンパスが閉鎖されたことにより就活生同士の交流が制限され、情報共有が非常に難しくなったことに苦労しました。他の学生たちがどこまで活動を進めているのか、周囲の就活の状況がわかならいのはとても不安でした。

その点でいうと『就活なんでも相談会』に参加すると、他の学生たちの質問内容などから、就活の進み具合などが把握できたので大きな安心材料になりました」といった話を聞くことができました。

コロナ禍の先を見すえた就職支援とは

このようにコロナ禍の制限を乗り越えるためにはじまったオンラインによる就職支援ですが、今までにないメリットもあったようです。たとえば、対面によるガイダンスや企業説明会では質疑応答で挙手することに消極的だった学生も、オンラインのチャット機能を利用することで積極的に質問する傾向が見られたとのこと。

Uターン就職について、これまで地元に戻って活動する学生をキャリアセンターでは支援しきれなかった部分がありましたが、オンラインを活用することで解消されるという成果が見られました。ほかにも、就職活動を強力に支援してきた東京経済大学の同窓会組織「葵友会」と学生たちとの交流会もオンライン相談会という形に切り替えられましたが、学生たちがよりピンポイントに先輩へアプローチしていくことができたようです。

一方で、直接的な交流が制限されたことにより、ネット上に飛び交う就職活動の不確定な情報にあおられ、最終的にキャリアセンターに相談してくる学生もいると、齋藤さんは語ります。さらに、手軽にはじめられるオンラインでの就職活動に慣れてしまうことで、対面で話すことに苦手意識をもつ学生も現れはじめているといいます。

「そういった意味でも、オンラインでの支援を充実させていくだけでなく、対面による面接練習会やイベントが開催できる時期を迎えたときには、コロナ禍以前に行ってきた支援活動を軸に、ポストコロナを見すえた多面的な支援への切り替えを早急に行っていかなければいけません。

キャリアセンターの支援を通して、早い段階で幅広く社会に興味を持つことや自ら考えて行動することの重要性を理解し、充実した大学生活を送ることで、結果として自信をもって就職活動に取り組めるようになると思います。自分のやりたいことを見つけ、満足のいく就職活動を進められるよう全力で学生をサポートしていきます」と、語ってくれました。

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