墓石の端材、キャンプ用足湯キットに 川崎のメーカーが開発

墓石の端材を活用した足湯キット(沖セキ提供)

 墓石を作る際に出る端材を活用し、キャンプで足湯が楽しめるグッズを川崎市川崎区の墓石メーカー「沖セキ」(緑間浩市社長)が開発した。新型コロナウイルス禍でキャンプが注目される中、これまでにない商品を打ち出し、石材業界の盛り上げにつなげる狙い。

 商品名は「GR-New10」。キャンプのたき火で円柱状の石を熱し、おけやバケツの水に入れることで足湯が楽しめる仕組みだ。材料は墓石に花立て用の穴を掘る際に出る花こう岩の端材を活用する。この円柱の端材は国内だけで年間約2万本出るとされ、これまでは再利用できず産業廃棄物として処分してきたという。

 そこで同社の市川貴裕さん(40)が利活用の方法を思案。キャンプが趣味という市川さんが蓄熱製の高さや熱伝導率の低さに着目し、キャンプ用品への転用を思いついた。

 石はステンレス製の組み立てケースに入れて利用するので、やけどの心配もないという。市川さんは「秋冬のキャンプでは足元が寒いとの声もあり、活用してほしい」と話している。

 価格は1万9800円から。クラウドファンディングサイトの「Makuake(マクアケ)」で販売している。

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