アレルギー性鼻炎の社会的障害性とは 頭痛や倦怠感・睡眠障害も

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[命ぐすい耳ぐすい 県医師会編](1264)

 くしゃみ、鼻水、鼻づまりが特徴のアレルギー性鼻炎ですが、社会的障害性についてご存じでしょうか? 最近の研究では頭痛や全身倦怠(けんたい)感、集中力・持久力の低下、睡眠障害などを生じることが分かり、欧米では身体的、社会的、精神的機能評価、QOL(Quality of Life)評価も鼻炎重症度に用いられています。

 沖縄県はアレルギー性鼻炎が多いのか少ないのか? 答えはかなり多いです。アレルギーを引き起こすダニは気温と湿度が高くなると産卵し、湿度が低下すると死滅します。亜熱帯地方である沖縄は本土に比べて高温、多湿の土地であるためダニの産卵期間が長く死滅する期間が短いという特徴があります。以前、琉球大学保健学科からカーペット1平方メートルあたりヤケヒョウヒダニの数が本土の約10倍であったと報告されました。ここ数年は高温、多湿傾向と暖冬が続いているため更に増加していると推察されています。

 アレルギー性鼻炎患者は本土に比べて多いはずですが、耳鼻科受診率はそれほど高くありません。なぜでしょうか? 本土に比べ寒暖差が小さい気候のため、鼻症状には慣れて気付きにくくなるようです。学校検診に行くと約30~40%の学生に明らかなアレルギー性鼻炎を認めますが、鼻の症状を聞くと、我慢できるので耳鼻科には行っていないと答えます。しかしQOLについての質問では多くの学生が天気の悪い日には頭痛を自覚し、熟睡感がなく、朝起きられない、授業中眠気がする、疲れやすいと答えています。

 クリニックを受診する成人患者さんも、アレルギー性鼻炎に重度の副(ふく)鼻(び)腔(くう)炎を併発する方が増えていますが、鼻炎症状の訴えは少なく、頭痛やのどの違和感で受診されています。ほとんどの患者さんは治療で症状だけでなくQOLの改善が図られており、沖縄でのアレルギー性鼻炎治療はQOL評価を重視して行うことが良いと思われます。頭痛や睡眠障害、朝からの倦怠感、日中の集中力、持久力の低下を感じた時にはアレルギー性鼻炎の影響を疑い、耳鼻科で一度診察してもらうことが重要だと思います。(崎浜教之 ・さきはまクリニック=浦添市)