長崎県警察学校 卒業式 クラスター乗り越え「絆」に感謝

卒業生を代表し、答辞を述べる寺崎巡査(手前)=長崎市、県警察学校

 長崎県警察学校(長崎市小江原5丁目)で13日、初任科短期課程(大卒程度)の卒業式があり、56人が学びやを巣立った。同校では8月に新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が発生。平田泰範校長は式辞で「精神的、肉体的に非常に厳しいものだったが、教官と一丸となり、困難を乗り越えてくれた」とたたえた。
 卒業したのは、同課程の22~29歳の55人(男性42、女性13)とサイバー犯罪捜査員の男性聴講生(33)。県内14署に同日配属され、交番勤務に当たる。4月に採用され約6カ月間、警察官として必要な知識や技能を身に付けてきた。
 同校では8月1日に学校生の感染を確認。12人のクラスターとなり、2日から27日にかけ休校を余儀なくされた。学校生は寮内で風呂とトイレ以外、ほぼ部屋から出ることなく、教官が食事を部屋の前に運ぶなど物心両面で支えた。
 佐藤大樹巡査(22)は取材に「大変な状況だったが同期生と教官の存在は大きかった」と「絆」に感謝。長崎署配属となり「強くもあり優しくもある警察官になれるよう努力を続けたい」と抱負を語った。
 式では平田校長が代表の浜口航巡査(29)に卒業証書を授与。「親切で力強い警察官になってほしい」とエールを送った。寺崎栄一郎巡査(25)は「県民の期待と信頼に応える警察官を目指し職務にまい進する」と力強く答辞を述べた。

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