「ミートショック」輸入牛肉が価格高騰 スーパーや飲食店に打撃

東京都内で10月13日に新たに確認された新型コロナウイルス感染者は72人で、感染者の減少が続いています。緊急事態宣言が解除されて飲食店に少しずつ客足が戻る一方、輸入牛肉の価格高騰による影響が出ています。

新型コロナの影響を受けた外食産業が緊急事態宣言の解除で復活を目指す中、いま輸入牛肉の価格が高騰し、スーパーや飲食店に影響が出ています。東京・練馬区にあるスーパー・アキダイの秋葉弘道社長は「まさにミートショックが起きている。日本全国で問屋同士でも取り合いになっている」と話します。農畜産業振興機構によりますと、アメリカ産牛バラ肉の卸売価格は2021年に入って急上昇しています。2020年6月は1キロ当たり643円でしたが、2021年8月には1113円となり、1年前のおよそ2倍となっています。輸入牛肉の価格の高騰について秋葉社長は「アメリカの国内需要の拡大や、いち早くコロナが落ち着いた中国で需要が拡大してアメリカ産の牛肉が中国に流れている。安くてジャンボパックにするのが定番だったが、特売自体できなくなっている。店側としても非常に厳しい状況」と話します。

困っているのはスーパーだけではありません。目黒区にあるステーキ店では通常1キロ当たり4000円から5000円で仕入れていたアメリカ産の牛肉が、今では6000円から7500円程度に値上がりしたといいます。このまま価格の高騰が続けば営業に大きな影響が出るのは避けられません。ステーキハウスリベラ目黒店の山口敏彦店長は「仕入れの在庫がなくなったら、営業時間を短くしたりして調整しないといけなくなる」と話します。店を訪れた客からは「値段が上がるのはつらいが、おいしかったら来る」「消費者としてはコロナ禍で残業も少なくなっている中で肉の値段が上がるのは考えものだが、店の経営のことを考えると致し方ないのでは」といった声も聞かれました。

新型コロナで売り上げが落ち込んだ飲食業界にとって、厳しい状況はまだまだ続きそうです。

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