持ち主探しています 日本軍陣地壕から文房具 三角定規には「中村清」の記名

 沖縄戦戦没者の遺骨収集活動に取り組む「沖縄蟻の会」の南埜(みなみの)安男さん(56)=那覇市=が10月上旬、糸満市真壁にある日本軍が使用した陣地壕で「と」とみられる文字から始まる3文字が彫られた万年筆を見つけた。9月下旬には近くから「中村清」の記名がある三角定規も発見。南埜さんは持ち主につながる情報を募っている。

 万年筆は、南埜さんが今月6日に見つけた。山のマークに「ト」、ローマ字で「KADENA」「TOGUCHI」との印があり、那覇市にある「渡口万年筆」のものとみられる。彫られている文字は「と」の変体仮名のように読める文字から始まる。残り2文字は判別できなかった。

 南埜さんは「(万年筆が見つかった陣地壕は)通称“真壁82高地”。いろんな部隊が使っていて、持ち主がいた部隊は不明」と説明する。

 万年筆が見つかった場所から1メートルほど離れた場所からは9月29日に「中村清」の名がある三角定規も見つかっている。定規の表面には「満八八部隊河瀬隊」とも削られて残っており、歩兵第22連隊所属とみられる。

 情報提供や問い合わせなどは南埜さん(電話)090(3840)9140。

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