平戸市議選 終盤情勢 20人が立候補 新人7人中、地盤引き継ぎは2人

離島、度島地区での活動に向け選挙カーでフェリーに乗り込む市議2陣営=平戸港(画像の一部を加工しています)

 10日に告示された平戸市議選は、17日の投開票に向け終盤戦に入った。定数18に対し、20人(現職12、元職1、新人7)が立候補。新型コロナウイルス感染防止のマスク姿で、選挙カーからの呼び掛けがアピールの中心となる中、懸命に票の掘り起こしを図っている。

 立候補者の党派別の内訳は自民、立憲民主、共産が各1、無所属17。構図が固まったのは告示日の2週間前を切ってから。共産の候補者決定が9月末にずれ込んだ。新人7人のうち、勇退する現職の地盤を引き継ぐ形となるのは2人。特に厳しい選挙戦になっているのは平戸島4地区のうち、北部と南部。市の中心地・北部は現職1人に対し、新人4人が集中する上、票田とみて地区外の候補も取り込みを狙う。農水産業が盛んな南部地区は現職2人の強固な地盤に新人1人が参戦。ほかに同地区出身で北部在住の新人2人も支持拡大を図る。60代の自営業男性は「南部の現職陣営は新人の動きに神経質になっている」と、現職と新人の争いに戸惑いを隠さない。
 60代の現職候補は「新人がどのくらい票を伸ばすか分からない」と危機感をにじませる。一方、大島村の現職が勇退し、離島地区居住の立候補者はゼロとなった。平戸港桟橋近くで新人候補は「離島地区に目を向けてほしい」と演説。選挙カーで度島行きのフェリーに乗り込んだ。
 2005年、1市2町1村が合併し、現平戸市が誕生して以来、5回目の市議選。今年10月1日現在の人口は2万9855人で16年間で約1万人減少。市議会も定数を05年の27から現行の18に減らしている。
 当選ラインを巡ってある現職候補は「『千票』は安泰のライン。700票が目標値ではないか」と分析。投票率は前回に近い70%代前半と見込む陣営が多い。有権者数は9日現在、2万5656人(市選管調べ)で前回から約2千人減少。当選ラインは、下がる可能性もある。

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