児童生徒「理由不明の欠席増えた」…コロナ自粛でストレス?見えぬSOS

 2020年度の問題行動調査で、沖縄は暴力行為、いじめの認知件数、不登校者数が前年度より減少した。県教委は「互いを認め合い、尊重することを大切にする授業や学級経営の充実が要因」と分析している。一方で教職員からは、新型コロナウイルスの影響で臨時休校などが増えたため、「大人の目が届かず子どものSOSに気付けていない可能性がある」「生活リズムが崩れて、登校しぶりが増えた。不登校になる可能性のある子どもが増えた」など、数字に表れていない実態に不安の声も聞こえる。

 本島南部の小学校教員の女性(35)は「子どもたちはコロナ下でいろんな活動を制限されて元気がない。原因がよく分からない欠席や、登校しぶりが増えた」と話した。本島南部の30代男性高校教師は「自粛生活が長く続き、ストレスがたまっている様子の生徒は多かった。今でも理由が曖昧な登校しぶりが多く、どんな声掛けをしたらいいか悩む時がある」と話した。

 フリースクールや夜間中学校を運営するNPO法人珊瑚舎スコーレの星野人史代表は「子どもが交流できないのはしんどいことだ。社会でフォローし、子どもが安心して学び、育てる環境を支援しなければならない」と話した。

 琉球大学教職大学院の村末勇介准教授は「教員の指導による数値改善と、新型コロナの影響で子ども同士の接触が減ったことが要因だろう。今後は、まだコロナが完全に収束したとは言えない状況下で、教育活動の制限がまだありつつも、楽しい学校生活をどうつくっていくのかが課題になる」と話した。

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