「認知症本人大使」が暮らしを発信へ 長崎県、溝上さんら3人任命

中村知事(中央)から認知症本人大使に任命された福田さん(左)と溝上さん=県庁

 認知症の患者本人が、前向きに暮らす姿を発信する「認知症本人大使『ながさきけん希望大使』」に長崎市の溝上文徳さん(57)、同市50代男性のほがらか君(仮名)、佐世保市の福田人志さん(59)の3人が任命された。13日、県庁で委嘱式が開かれ、中村法道知事が委嘱状を交付した。
 認知症患者や支援者の希望につなげ、認知症患者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、県が本年度初めて任命。関係団体から推薦があった3人の希望や体調を確認し選定した。大使の任期は2年で、県の認知症普及啓発活動や研修会へ参加し、思いや暮らしについて話す。
 溝上さんは54歳の時に前頭側頭型認知症、福田さんは51歳の時に若年性アルツハイマー型認知症と診断された。福田さんは現在、佐世保・県北地域型認知症疾患医療センターの若年性認知症支援相談室で相談員をしている。ほがらか君は約2年前に若年性認知症と診断され、現在も就労を継続。氏名、顔非公表で大使の活動をしていく。
 委嘱式には溝上さんと、福田さんが出席。知事から委嘱状を手渡された溝上さんは「明るく希望のある生活ができるような活動をがんばりたい」、福田さんは「認知症の理解と、安心して暮らしていける地域づくりに少しでも貢献できることをうれしく思う」と話した。


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