ジャイアンツ対ドジャース 「負ければ敗退」の大一番は3度目

日本時間10月15日、ジャイアンツ対ドジャースの地区シリーズ第5戦がサンフランシスコのオラクル・パークで行われる。ナ・リーグを代表するライバル2球団が「負ければ敗退」の大一番で対戦するため、非常に注目度の高い試合となっている。両球団がポストシーズンで対戦するのは今回が初めてだが、実はこの2球団は「負ければ敗退」の大一番で過去に2度対戦している。明日の地区シリーズ第5戦を迎える前に、その2試合を簡単に振り返っておこう。

1度目は1951年だ。ナ・リーグはレギュラーシーズン154試合を終えてドジャースとジャイアンツが96勝58敗で首位に並んだため、2勝先取の優勝決定戦に突入。初戦を3対1でジャイアンツ、第2戦を10対0でドジャースが制し、「勝てばワールドシリーズ進出、負ければ敗退」という第3戦を迎えた。ドジャースは1回表にジャッキー・ロビンソンのタイムリーで先制。7回裏にボビー・トムソンの犠飛で同点に追いつかれたが、8回表に2本のタイムリーなどで3点を勝ち越してリーグ優勝を決めたかに思われた。

ところが、9回裏にドラマが待っていた。ジャイアンツはドジャース先発のドン・ニューカムから連打で無死1・3塁のチャンスを作ると、一死後にホワイティ・ロックマンのタイムリー二塁打で1点を返して2点差。ここでドジャースは2番手ラルフ・ブランカを投入したが、トムソンがレフトスタンドへの3ラン本塁打を放ち、ジャイアンツが劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めた。この一打は「世界中が耳にした一撃」と呼ばれ、史上有数の名場面として語り継がれている。

2度目は両球団が西海岸へ移動したあとの1962年だ。この年はレギュラーシーズン終了時点で両球団が101勝61敗で並び、優勝決定戦に突入(2勝先取)。初戦をジャイアンツが8対0、第2戦をドジャースが8対7で制し、11年前と同様に「勝てばワールドシリーズ進出、負ければ敗退」の第3戦を迎えた。ジャイアンツは3回表に2点を先制したものの、そのあとドジャースが4点を奪って逆転。またしてもドジャースがリードした状態で最終回を迎えた。

しかし、9回表のジャイアンツは一死1塁から連続四球でチャンスを広げ、ウィリー・メイズのタイムリー内野安打でまず1点。続くオーランド・セペダの犠飛で同点とし、二死満塁から押し出し四球とエラーで2点を勝ち越した。9回裏は3番手ビリー・ピアースがドジャースの上位打線を三者凡退に抑えて試合終了。1951年に続いてジャイアンツが優勝決定戦を制し、リーグ優勝を決めたのだった。

ちなみに、ジャイアンツは1951年も1962年もワールドシリーズでヤンキースに敗れ、世界一を逃している。ジャイアンツが「三度目の正直」でドジャースを撃破したあとに世界一を成し遂げるのか、あるいはドジャースが「三度目の正直」でライバルを撃破するのか。ナ・リーグを代表するライバル2球団の歴史に新たな1ページが刻まれようとしている。

© MLB Advanced Media, LP.