精神科病院でのクラスター調査を 障がい者団体が玉城知事に要請

 うるま記念病院など精神科病院での新型コロナクラスター発生について、県自立生活センター・イルカ(長位鈴子代表)と県精神保健福祉会連合会(山田圭吾会長)は11日、県庁で玉城デニー知事らと面会し、原因究明と速やかな公表を求めた。玉城知事は事案について調査を進めていると明言。結果は報告する考えを示した。

 要請団からは、精神科病院に入院する際に2週間の経過観察を行う場として、隔離された「保護室」が使われている例があるとし、人権の観点から問題視する声が上がった。県側は毎年の立ち入り検査の中で確認する考えを示した。

 長位さんはクラスターについて、精神科で入院している人は社会と隔離されていることから「利用者に責任はない。なぜ本人に悪いところがないのに死ななければいけないのか」と訴えた。県は障がいを理由とした命の選別は行っていないとしたが、適切な感染対策や転院などの手続きが足りなかったことが、感染拡大や死亡率を高めたとし、不適切な対応自体が「命の選別」だと訴えた。山田さんは病院内の情報が少ないとし「命が関わる緊急事態だ」と対応を求めた。

 玉城知事は調査結果は「開示できることはしっかり開示する」と強調した。調査報告のまとまる時期については明言を避けた。

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