Blackmagic Design製品事例:映画「Jason Rising」の場合

Blackmagic Designの発表によると、映画「13日の金曜日」の世界観をベースにしたファン・フィクション映画「Jason Rising」が、複数のPocket Cinema Camera 4Kで撮影され、DaVinci Resolve Studioでグレーディングされたという。

同作は超低予算で撮影され、公開から3週間で世界中の視聴者から30万回以上再生された。逃亡中の脱走者が精鋭の追跡者や賞金稼ぎたちに終われる姿を描いており、ホッケーマスクをかぶった殺人鬼、ジェイソン・ボーヒーズが出没するキャンプ場に追跡者たちが立ち入ったことで、狩る側と狩られる側の立場が逆転する。

出演者は、ダン・カイル、カイル・ヴェイハン、アナ・キャンベル、ジェリー・ボールJr. 、そしてオリジナルの13日の金曜日にも出演したアドリエンヌ・キングら。ジェームス・スウィート氏とオレゴン州を拠点とする監督/ミュージシャンのカール・ウィナリー氏が共同で制作した。

制作責任者、撮影監督、エディター、VFX監督、カラリストの役割を担ったウィナリー氏は、1年間のプリプロダクション、そしてコロナ禍とオレゴン州での大規模な山火事の影響を受けた制作スケジュールを含め、2年以上に渡って同作に携わってきた。

 ウィナリー氏:私は、「13日の金曜日」シリーズの最初の4作の魅力を再現したかったんです。この作品は自己資金で制作しており予算は厳しいものでしたが、それでもハリウッドの超大作に引けを取らないクオリティの作品を作ることができました。これはPocket Cinema Camera 4Kによるところが大きいですね。そしてPocket Cinema Camera 4Kは、この恐ろしいほどの低予算の作品にぴったりでした。

「13日の金曜日」のような不吉なホラーテイスト、「死霊のはらわた」の霧やシュールな照明、「プレデター」の高速アクションを織り交ぜたルックを希望していたウィナリー氏は、同作をすべてPocket Cinema Camera 4Kで撮影。Blackmagic RAWでキャプチャし、最大5台のカメラを使用した。

撮影現場では通常、Flycam Flowlineバックパックを使用したハンドヘルドPocket Cinema Camera 4Kが2台、DJI Ronin SまたはS2に搭載されたカメラが1台、三脚またはドリーに搭載されたカメラが1台、ジブに搭載されたカメラ1台が使用された。

私は何年もBlackmagic Designのカメラを使用しているので、必要な画質を得られることを確信していました。しかし、それと同じくらい重要だったのは、Blackmagic Designのカメラが非常に効率的であることです。通常、テイク間のセットアップには10〜20分かかりますが、Pocket Cinema Camera 4Kはメニューと小型サイズのおかげで、2〜3分でセットアップが可能です。深夜の撮影で、ジンバルのバランス調整やジブのリグ組みのために20分も待たされると辛いですよね。

Pocket Cinema Camera 4Kは低価格なので、ウィナリー氏は複数のカメラを購入できてマルチカメラでの撮影プランを立てたり、ハンドヘルドと三脚での撮影をすばやく切り替えることができたという。

Pocket Cinema Camera 4Kの大きな利点の一つは、メニューが非常に使いやすいことです。戦いのシーンでは、24fpsと22fpsを切り替えることもありました。Pocket Cinema Camera 4Kのメニューでは、複数のカメラでフレームレートを設定し、切り替えることが可能です。またフォルスカラーやフレームガイドのプリセットを設定できるので、セットアップに時間をかけずにすぐに撮影に入ることができました。

ホラーという作品の性質上、映画のほとんどはオレゴンの荒野で夜間に撮影された。Pocket Cinema Camera 4Kは低照明条件で威力を発揮するので、ウィナリー氏はカメラのデュアルISO機能を使用してほとんどのショットをISO 3200で撮影した。

ISO 3200で撮影しても優れたルックが得られると分かっていたので、小型で持ち運びやすい照明を使用できました。これらはすべて、従来のM18や1K、ジェネレーターの代わりに、バッテリーを使用するLEDライトです。また、音響のスタッフにも感謝されましたね。

Pocket Cinema Camera 4Kの操作性はすばらしく、非常に美しいフッテージを得られます。画質、そしてRAWで収録できることもすばらしいですね。この価格帯でこれ以上のカメラはないと思います。

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