飲食、産直店は年内開業 印南漁港の観光交流施設

漁港の仮眠所を活用した施設の完成イメージ図

 和歌山県印南町印南の印南漁港にある漁業者用の仮眠所を観光交流施設として改築している事業で、年内に飲食と産直の店舗が先行して開業する。観光交流施設の名称は「かえるの港」(仮称)。全体の開業は来年春の予定。

 同町出身の不動産鑑定士、古田高士さんが代表を務める不動産コンサルタント会社「和み」の事業計画に、同町の食品製造会社「いなみの里梅園」が参画して進めている。地域活性化を掲げてクラウドファンディングで集めた寄付と自己資金で、長屋形式の仮眠所をそれぞれの所有者から買い取り、今年夏から改築工事に入った。

 8部屋分を活用するメインの建物には飲食店舗、産直店舗などが入る。現在は各部屋を隔てていた壁を撤去して内装工事をしたり、外壁を塗装したりしている。

 建物正面に向かって右に設けている飲食店舗には、厨房(ちゅうぼう)スペースの他、海を見渡せるカウンター席などが造られている。紀州日高漁協の協力で海産物、他に農作物などを生かしたメニューを提供する。11月に開業。

 建物中央の産直店舗は、地域の特産品を売りにしながら、土産物なども独自の特徴ある品ぞろえを目指すという。パンフレットを置き、印南の情報発信拠点としての機能も持たせる。12月に開業。

 これら年内の先行開業を予定している施設の他、建物正面に向かって左は、地元住民らに自由に使ってもらうコミュニティースペースを設ける予定。メインの建物のそばにある3部屋分の別棟は用途を決めていない。古田さんは「地域のニーズに合う用途を考えているところで、皆さんから広く意見を聞きたい」と、意見を募集している。

 意見は古田さん(073.488.1321、メールアドレスfuruta@nagomi-rea.co.jp)へ。

地場産品を生かしたメニューを提供する飲食施設など。内部の工事が進んでいる(和歌山県印南町印南で)

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