散歩の延長でパトロール 田辺署員「住民に安心感を」

チーム名と星形のイラストをあしらったTシャツやマスクを着用する田辺署員と岸谷孝行署長(左)=和歌山県田辺市上の山1丁目で

 和歌山県警田辺署で「ウオーキング・パトロール・チーム」が発足した。散歩やランニングを趣味にする約40人の署員が勤務時間外に、そろいのTシャツとマスクを着用して〝活動〟する。署は「住民の安心感につながればいい」と期待している。

 県内の警察署では初めての取り組みとみられる。参加するのは20~50代の男女。複数ある官舎に入っている署員が中心で、全署員の約3割に当たる。休日や早朝、夜間、昼の休憩時間に歩いたり走ったりする署員に呼び掛けた。今後、賛同者がいれば増えていくという。

 取り組みのきっかけは6月の出来事。散歩中の署員が、住民から「パトロールしてくれているんですね」と声を掛けられたという。趣味を延長してパトロールの意識を持てば、小さな変化も見逃さないようになると考えた。

 勤務中ではないため、職務質問など法律に基づく活動はできないが、署は「素早い通報や救助など、いざという時は一般の方以上に行動することは求められる」と話す。

 Tシャツは黒地で、左肩の部分に星形のイラストと、チーム名を英語で記している。マスクも黒地で、左側に同じイラストをあしらった。

 散歩が趣味で今回の活動に参加する岸谷孝行署長は「ゆっくりと歩けば、いつもとは違うということにも気付きやすいはず。公私にわたって地域を守っているという署員の意識の高まりにもつながる」と効果を期待している。

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