【神阪奈直通】新開地から奈良まで1本の快速急行が面白すぎる【阪神なんば線開業12周年】

新開地駅から旅はスタート

新開地駅

兵庫県の新開地駅にやってきました。今日は、開業から12周年を迎えた阪神なんば線を使って近鉄 奈良駅まで向かってみたいと思います。

新開地駅 西口

今日は、こちらの西口からスタートです。この駅には、阪急電鉄、阪神電車、山陽電車、神戸電鉄の4つの鉄道会社が乗り入れています。

新開地駅結構カオス!?

新開地駅 電光掲示板

電光掲示板には、阪急・阪神・山陽と3つの鉄道会社の名前が表示されています。

神戸電鉄

と思ったら、神戸電鉄の列車も乗り入れているようです。このように同じホームに何社も鉄道会社が乗り入れているのは、関西ではなかなかないのではないでしょうか。

新開地駅 ホーム

こちらは神戸高速鉄道という第三種鉄道事業者の駅で、設備は神戸高速鉄道ですが、列車は先ほどの4つの鉄道会社が乗り入れてくる形をとっています。

新開地駅1・2番線ホーム

神戸三宮・大阪梅田方面の新開地駅1・2番線ホームにやってきました。1番線側が阪神線方面、2番線側が阪急線方面になっています。(時間帯によって列車や扱いが異なる場合があります)

新開地駅から発着する阪急電車

阪急 7000系

阪急大阪梅田行きの特急列車がやってきました。こちらは阪急7000系電車です。阪急の車両は1998年まで山陽電鉄の須磨浦公園駅まで直通していましたが、現在は新開地までの運用になっています。

山陽電鉄と盛んに直通する阪神電車

阪神9300系

阪神線の大阪梅田行き直通特急がやってきました。こちらは阪神9300系電車です。

大阪梅田行きの列車が並ぶ

阪神の車両と阪急の車両が並んでいます。どちらも大阪梅田行きの列車です。同じ行先なのに違う会社の列車が並んでいるという光景はかなりレアなのではないでしょうか。

近鉄奈良行き?

快速急行 近鉄奈良 の表示

電光表示板にはなんと「快速急行 近鉄奈良」の文字が!ここから1本で奈良まで行けちゃうんでしょうか。

こちらの列車は2012年3月20日のダイヤ改正で誕生した休日に3本だけある近鉄奈良行きの快速急行になります。つまり、新開地から奈良まで直通列車で行くことができるということです。兵庫から奈良まで乗り換えなしで行けるのはすごいと思います。

阪神9000系電車

こちらの列車が近鉄奈良行きの快速急行に使用される阪神9000系電車です。近鉄直通の列車に使用される車両としては少数派ですので、レアかもしれません。

車内

車内はオールロングシートです。

とても長い路線図

兵庫県から奈良県までは結構な距離がありますので、相互直通運転の効果は偉大だと思います。

LED表示器

車両のドア上にはこのようにスクロール式のLED表示機器が千鳥配置で設置されています。

この列車限定のLED表示

阪神神戸三宮からの奈良行き快速急行は結構な数が設定されていますが、新開地の列車は休日限定の3本のみですので、このようなLEDの表示は珍しいと思います。

新開地発 近鉄奈良行き快速急行発車!

新開地発車

近鉄奈良線直通の快速急行近鉄奈良行きは新開地駅を発車します。停車駅は、高速神戸、西元町、元町、阪神神戸三宮、魚崎、西宮、今津、甲子園、武庫川、尼崎、西九条、九条、ドーム前、大阪難波、近鉄日本橋、大阪上本町、鶴橋、生駒、学園前、大和西大寺、新大宮、終点の近鉄奈良です。停車駅の数もかなり多く、結構な距離を走行していることがわかります。これは結構楽しめそうです。

阪神5700系

隣の高速神戸駅までの間にある引き上げ線に阪神の5700系が止まっています。

高速神戸に到着

高速神戸

列車は高速神戸駅に到着します。この駅はJR神戸線の神戸駅、そして神戸市営地下鉄湾岸線のハーバーランド駅との接続が可能になっています。

こういわれてみると、「高速」とつくだけで、神戸駅と何ら変わりがないということになりますね。

ちなみに阪急線との共同使用はこの駅までとなっています。

阪神本線はここから! 「元町」!

元町駅

列車は元町駅を出発します。この駅は阪神の神戸側のターミナル駅であった神戸三宮駅から突貫工事で建設された駅になります。この突貫工事を行った理由として、山陽電鉄への直通を計画していたということを言われている方がいるのですが、実際には「湊川」延長は頓挫しています。

その後、結果的に、神戸高速線を使って山陽電鉄に直通運転をするという形になりました。

元町阪神が延長したとはいえ、阪神のターミナル機能は神戸三宮のままで、直通先の神戸高速線も新開地がメインの駅になってしまいました。

「元町」は目立たない駅ではありますが、JRとの乗り換えが可能な駅となっています。

阪神のターミナル!神戸三宮に到着!

神戸三宮

列車は元町駅のすぐ隣の神戸三宮駅に到着します。ターミナル駅という感じはあまりなく、1面2線の島式ホームに1面1線の頭端式ホームが乗り入れてきています。

優等列車ならではの圧巻の通過運転!

神戸三宮を出ると、列車は一気に優等列車としての速達運転を開始します。

列車は春日野道駅を通過しています。

春日野道を通過

阪神の列車の面白いところといえば、停車パターンが結構な千鳥式配置なんですよね。

列車は岩屋駅を通過します。この区間は、ほぼ地上と言ってもいい区間に入ってくるきます。阪神電車は走りが結構楽しいので、この区間は格別かなと思います。

石屋川車庫と電留線

石屋川車庫

進行方向右手側に石屋川車庫が見えてくると、列車はまもなく石屋川駅を通過します。石屋川駅を出ると、御影の電留線があります。

隣の駅にはなりますが、こちらの電留線に入庫させるという形をとっている列車もあります。見ていて気づいたのですが、車庫の入出庫線は単線なんですね。ちょっと意外です。

「快速急行だけ」が止まらない御影駅

御影駅を通過

列車は石屋川の隣の御影を通過します。この駅に快速急行だけが止まらない理由としては、近鉄の車両が、21mと大型のため、急カーブ上にある御影駅に停車させるのは危険だという判断がされたからだそうです。

最初の停車駅 魚崎

魚崎駅

阪神神戸三宮からノンストップで走ってきた快速急行は、最初の停車駅の魚崎に到着します。こちらの駅は大型の近鉄の車両が6両停車できる対応工事が行われていて、さらに8両編成に対応するホーム延伸工事が行われ、ホームは2回も延長されています。

スピード感のある前面展望! 起伏に富んでいて楽しい!

前面展望

せっかくなので、前面展望も楽しんでいきたいと思います。阪神9000系は正面中央に貫通扉がある割には、起伏に富んだ阪神戦の前面展望を楽しめるようになっており、視界も結構いい方なのではないかと思います。また、スピード感がすごいです。

手元の速度計

それでは、手元の速度計を見ていこうと思います。速度計は90キロ弱を指し示しています。

西宮に到着

阪神8000系

西宮駅の引き上げ線が見えてきました。こちらに止まっている車両は、阪神8000系の急行列車になります。

西宮駅

列車は西宮駅に到着します。西宮駅には基本的にはすべての列車が停車しますが、例外的に区間特急が通過するということになっています。区間特急は平日の朝ラッシュ限定の種別ですので、基本的に沿線住民でない限りは縁がないかと思います。ですので、西宮駅を通過する列車はほぼないと考えてもいいかもしれません。

阪神タイガースの聖地 甲子園駅に到着!

甲子園駅

列車は、阪神タイガースの聖地、甲子園駅に到着します。この駅は朝ラッシュ時の一部直通特急のみ通過列車があります。

阪神本線となんば線の分岐点 尼崎駅に到着!

尼崎駅

新開地駅からあっという間の35分。列車は尼崎駅に到着します。この駅は阪神本線からなんば線に乗り入れるこの快速急行にとって重要な駅となっています。尼崎駅からこの列車は阪神なんば線へと入ります。

尼崎で2両増結! 連結作業!

尼崎駅入線

この駅で大阪難波寄りに2両列車を連結し、8両編成で運転されます。基本的に土休日の日中は快速急行が8両編成での運転となりましたので、ここで連結が見られるのは結構レアなシーンかもしれません。連結相手は9000系より新しい1000系です。1000系と9000系で結構世代の差があるのですが、こうやって共演するのですから結構驚きです。

距離が近づく

先に停車していた1000系に向けて、旗の合図に合わせ、列車を進めていきます。

さらに列車を進める

直前で一旦停止しました。そして、もう一度列車を進めます。

幌が繋げられる

連結完了しました。ドアが開き、列車の幌が繋げられます。

側面の行先表示

側面の行き先表示です。「快速急行(青文字)奈良」と書かれています。この表示をよく覚えておいてください。

阪神なんば線へ突入!

尼崎駅

列車は尼崎駅を発車しました。このあとなんば線へ直通する列車は本線の下をくぐる形で、隣の大物駅を目指します。大物尼崎駅間は、本線となんば線が線路を共有している区間になっていまして、実質的な複々線となっています。

尼崎車庫

尼崎車庫

こちらが尼崎車庫になります。阪神のすべての車両がこちらで点検整備を行います。大きな工場が併設されています。

堤防より低い淀川橋梁

淀川橋梁

福駅を出た列車は、淀川橋梁を渡って行きます。こちらは、阪神なんば線全線開業のはるか昔、伝法線(開業は1954年)と呼ばれていた頃から使用されており、現在、橋梁の架替に向けて工事が進められています。

新しい橋脚

新しく使用される予定の橋脚も、すでに見ることができます。

淀川橋梁の改良工事と同時にこの付近一帯の改良工事を行うようで、これが完成するとなんば線のほぼすべての区間で立体化工事が完成することになります。

なんば線新規開業区間へ

西九条駅

大阪環状線とJRゆめ咲線との連絡駅である西九条駅を出発すると、2009年開業のなんば線新規開業区間へ入っていきます。

防音壁

九条駅周辺の沿線住民の反対運動が起こされたこともあり、このような防音壁が整備されています。また、九条駅手前にて地下に入ってしまうため、なんば線の新規開業区間はほぼほぼ外の景色が見れないということになります。

乗務員交代が行われる桜川

桜川駅

列車は大阪難波駅の一つ手前の駅の桜川駅に到着します。この駅で、近鉄と阪神の乗務員が交代します。阪神なんば線は次の大阪難波駅までですが、大阪難波駅の線路容量の都合から、この駅から近鉄のシステムへ移るようです。

近鉄奈良線へ!

大阪難波駅に到着

大阪難波駅

桜川にて近鉄のシステムへ切り替えられましたが、阪神なんば線としては終点となる大阪難波駅へ到着します。この駅からいよいよ近鉄奈良線へと直通します。

行先表示器の比較

大阪難波からも引き続き近鉄の快速急行として運転されます。阪神線内は青い文字で「快速急行」と書かれていましたが、赤い文字の「快速急行」へと変わっています。

実は奈良線じゃない大阪難波〜布施間(大阪線)

鶴橋直前で並走

列車は大阪上本町を出ると、二度目の複々線区間へと入ります。地上ホームからやってくる大阪線の列車と地下ホームからやってくる奈良線の列車、運がいいと、鶴橋から布施までの区間でこのような映像が見られ、とても面白いです。

列車は西九条駅以来二度目の大阪環状線との接続駅である鶴橋駅に到着します。

快速急行同士のバトル!?

鶴橋駅を同時発車

2番線から大阪線の快速急行松阪行きが出発したのとほぼ同時に、こちらの快速急行の奈良行きも出発しました。これは、複々線区間ならではの「快速急行同士」のデッドヒートですね。しかも、両列車とも快速急行ですので、隣の近鉄今里、布施駅を通過します。大阪線の快速急行は五位堂、奈良線の快速急行は生駒と、次の停車駅がだいぶ離れています。このように、ノンストップ区間が長く、ロングランの列車同士が並走しているのはとてもすごいことだと思います。鶴橋発車時点では大阪線の快速急行のほうが少し早かったのですが、少し奈良線が巻き返しました。ですが、また大阪線が追い越しました。結構見ているだけで白熱します!

布施駅手前で大阪線とお別れ

布施駅手前で、大阪線のホームは3階、奈良線のホームは4階とホームが分けれてしまいましたので、決着はわからないままでした。残念ですが、勝負はお預けです。

ラグビーの聖地東花園

東花園駅

列車は東花園駅を通過中です。この駅は準急以下の種別が停車する駅で、併設される形で車両基地もある駅です。

東花園車庫の入出庫線

こちらが東花園車庫の入出庫線です。

スナックカー

こちらが東花園車庫です。スナックカーが2編成止まっていました。廃車のときを静かに待っているのでしょうか。

生駒山地を貫通!新生駒トンネル

新生駒トンネル

石切駅を出た奈良線の列車は新生駒トンネルに入っていきます。新生駒トンネルはおよそ3.5kmの長さがあるトンネルになります。このトンネルが完成したことによって、生駒山地を迂回することなく、最短距離で大阪府と奈良県を結ぶことが可能になりました。

生駒駅に到着

生駒駅

新生駒トンネルを抜けると、生駒駅に到着します。この駅には特急を含む全ての列車が停車します。この駅では生駒線とけいはんな線に乗り換えることが可能になっています。

日本一配線が複雑!大和西大寺駅

大和西大寺駅

列車は日本一配線がカオスな駅で知られる大和西大寺駅に到着します。この駅は京都線と橿原線との乗換駅になっています。快速急行がこの駅から終点まで各駅に停まるようになるので、準急や普通列車はこの駅発着として、快速急行と接続を取ることも多くなっています。奈良線は大和西大寺駅の前後でそれぞれ京都線・橿原線と前後で平面交差を行っています。

ビスタEX

橿原線からやってきた松阪始発の特急ビスタEXの30000系を使った特急とすれ違いました。

複雑な配線

そして、この列車は奈良方面に向かっていくわけなんですが、橿原線の線路に沿う形で西大寺検車区が見えてきます。こちらはかなり大きな検車区でしたので、機会があれば行ってみたいです。

終点近鉄奈良へ到着!気になる所要時間は?快速急行の実用性は?

奈良に到着

奈良の手前で地下に入りました。というわけで列車は終点の近鉄奈良駅へ到着です!向かい側には京都市営地下鉄烏丸線に直通する急行の京都国際会館行きが止まっています。

距離と所要時間

近鉄の車両と阪神の車両が並ぶ

新開地から68.2km、終点の近鉄奈良駅に到着しました。所要時間は1時間37分でした。結構現実的で速い手段とだと感じました。

ということで、神阪奈直通 ロングランの快速急行奈良行きの乗車レポートでした。

【著者】路地裏

鉄道・旅行系の動画を投稿しています。毎週日曜18時に投稿する定期の動画と、不定期で都度配信の動画があります。余裕ができれば不定期配信を増やしていくつもりです。よろしくお願いします。

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