<レスリング>須﨑優衣選手がUWWアスリート委員へ…2位の投票数を獲得

 

 世界レスリング連盟(UWW)は10月13日、アスリート委員会の新メンバー7人を発表。日本から須﨑優衣選手(早大)が選出された。

マットだけでなく、ロビー外交の場でも活躍が期待される須﨑優衣選手

 同委員会は、2013年に国際オリンピック委員会(IOC)理事会がレスリングをオリンピック競技からの除外を決めた際(その後、総会で除外を免れる)、理由のひとつとして、連盟内に選手委員会と女性委員会がなく、選手の意見が反映されない組織であることが指摘され、それに対する改革のひとつとして発足。

 そのときは伊調馨選手が選出され、4年間の任期を務めた。2017年の改選で日本人は選ばれなかった(関連記事=2013年9月25日2017年9月12日)。

 今回はノルウェー・オスロで行われた選手権の最中に出場選手による投票が行われ、663選手中、397選手が投票。須﨑選手が、タマス・ロエリンツ(ハンガリー)の189票に続く181票を獲得し、選ばれた(投票数と獲得票数は、ハンガリー協会の発表)。各大陸から最低1選手は選出される。

 須﨑選手は14日、全日本学生選手権が行われている東京・駒沢体育館で「UWWからメールが来ました。選んでいただけたことは光栄です。できることを精いっぱい頑張り、日本やアジアとUWWをつなぐ架け橋になれればいいな、と思います」と話した。英会話については「より一生懸命に頑張ります」と、マスターを誓った。

 日本協会の富山英明会長は「国際舞台で活躍できる若い人材が出てきたことは頼もしい。若いうちから世界に出ることはいいこと。英会話もしっかり頑張ってもらい、将来はこういう舞台(外交の場)で活動する、という意識を持ってほしい」と期待した。

 今後、少なくとも1年に1度は対面ミーティングを行うほか、オンラインなどによってメンバー間でコミュニケーションをとり、ルールや競技システムについて選手サイドの要望をUWWに伝えて改善・改革を求める役割を担う。

 委員長は、7人のメンバーによる話し合いで選出される。これまでは、第1期はキャロル・ヒュン(カナダ=2008年北京オリンピック女子48kg級優勝)、前期はジョーダン・バローズ(米国=2012年ロンドン・オリンピック男子フリースタイル74kg級優勝)が務めた。

 委員長はUWW理事(ビューロー・メンバー)として理事会に出席し、選手の権利を守るための活動を行なう。

 選出されたメンバーと獲得投票数は下記の通り。


■LOERINCZ, Tamas (ハンガリー) 189票=一期おいて再任。2021年東京オリンピック・男子グレコローマン77kg級優勝

■須﨑優衣(日本) 181票=2021年東京オリンピック・女子50kg級優勝

■JULFALAKYAN, Arsen(アルメニア) 177票=再任。2012年ロンドン・オリンピック・男子グレコローマン74kg級2位

■YAZDANICHARATI, Hassan(イラン) 164票=2016年リオデジャネイロ・オリンピック・男子フリースタイル74kg級優勝

■LACEY GARITA, Maxwell Lemar(コスタリカ) 132票=2020年パンアメリカン選手権・男子フリースタイル92kg級2位

■OBORUDUDU, Blessing(ナイジェリア) 90票=2021年東京オリンピック・女子68kg級2位

■LAVERS-MCBAIN, Jessica(オーストラリア) 68票=2018年オセアニア選手権・女子55kg級2位

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