【動画】両腕の裏側には『翼をさずける』の日本語も。レッドブル・ホンダF1のレーシングスーツ製作の裏側

 F1第16戦トルコGPが行われた10月8~10日は、本来であれば日本GPの開催が予定されていた週末だった。そのためレッドブル・ホンダは、日本GP用に用意されていたスペシャルカラーのマシンとレーシングスーツでトルコGPを戦った。白地が印象的なこの『ホワイト・エディション』のスーツが出来るまでの様子を、レッドブルが動画で公開している。

 今回のスーツにおいて、まず注目されるのはその色。これまで数々のスペシャルスーツを作ってきたレッドブルにとっても白は初めてだというが、チーム代表のクリスチャン・ホーナーが「ホンダの遺産への敬意」と語るこの色はいうまでもなく、ホンダ第一期F1のカラーにインスパイアされたものだ。

 またデザインについては、2019年にマックス・フェルスタッペンが栃木県さくら市にあるホンダの技術開発研究所HRD Sakuraを訪れた際、ともにホンダのF1初優勝マシン『RA272』を走らせた佐藤琢磨が着用していた白地に赤のスーツがインスピレーションの元になっているという。

 デザイナーたちの綿密な会議(角田裕毅がカメオ出演していることにも注目)の末、ホンダへの感謝と日本的なスタイルをモチーフにしたスーツのデザインが完成。両足にカタカナで『レッドブル』と示されているほか、両肩と脇腹には日本の『豆絞り』のような意匠がも取り入れられれられている。また、ドライバーが表彰台で両腕を掲げたときに見えるようにと、両腕の下に日本語で『翼をさずける』と書かれているのも日本のファンには嬉しいギミックだ。

2021年F1第16戦トルコGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 こうして完成したデザインは会議でホーナーに提案される。ホーナーは両足の文字を示しながら「これはなんて書いてあるんだ?」と日本人スタッフに尋ね、それが「カタカナで『レッドブル』」だとわかると「クールだ」と言い、デザインを承認した。

 動画の最後では、「このスーツがトルコGPの表彰台でシャンパンかレッドブルまみれになっているところが見たいね」と語ったホーナー。彼の言葉通り、トルコGPでレッドブルのドライバーふたりは揃ってこの白いスーツで表彰台に華を添えた。

 動画ではこの他にもレーシングスーツの製造工程や、田辺豊治氏のインタビュー、アレックス・アルボンのレーシングスーツに対する思いなども見ることが出来る。動画はYouTubeの設定から日本語字幕に変更できるので、ぜひご覧いただきたい。

© 株式会社三栄