被爆2、3世の法的援護「国の責任」 長崎市独自は困難 3団体に回答

被爆2世らでつくる3団体(手前)に回答する長崎市の担当者(奥)=同市魚の町、長崎市民会館

 長崎市は14日、被爆2、3世の法的援護を申し入れていた県被爆二世の会(丸尾育朗会長)など3団体に対し、これまでと同様「国の責任」と位置付け、市独自で実施するのは難しいと回答した。2世健診の拡充や実態調査などを引き続き国に要望する方針。
 3団体は毎年、2世らの生活や健康に関する実態調査の実施や2世健診の拡充、被爆者同様の医療費支給などを同市や県に求め続けており、今年は4月に要望していた。
 この日は同市原爆被爆対策部の前田孝志部長らが3団体の6人と面会し、2世らへの被爆者援護法適用については「被爆による遺伝的影響の知見が得られることが必要」として、現段階では国に要望することも難しいとの見解を示した。団体側は「高齢化した2世もいて、もう待てない。市は市民である2世に寄り添い対応を」と求めた。
 2世らへの現在の支援策は年1回の健診に加え、同市と県が国の予算を活用し、健診結果を記入する「記録簿」を今年6月から発行している。

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