〈新型コロナウイルス〉ワクチン接種率、県平均上回る 上越市 専門家会議 ワクチン効果を示唆 

 上越市が設置する「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が13日夜、同市役所木田庁舎で開かれた。

 専門的な見地から同感染症の現状などについて分析を行い、今後の対策方針に結び付ける。委員は上越医師会の林三樹夫理事(同会議座長)ら5人で構成する。

 2回目となる同日は、ワクチン接種の評価と今後の方向性、市内の発生状況や感染者の推移などを市や委員が報告。林座長は「冬の冷たい乾燥した空気環境ではウイルスが残存しやすくなる。第6波に備え、各機関の連携による対応を」とあいさつした。

 10月9日時点におけるワクチン対象者(12歳以上)の接種状況は、全対象者17万41人のうち1回目接種済みが15万3736人(接種率90・4%)、2回目接種済みが15万993人(同88・8%)。国のワクチン接種記録システム「VRS」のデータによると、10月4日時点で同市の全世代の1回目平均接種率が89・5%となり、県平均の79・0%を大きく上回っている。

8月31日に第1回が開かれ、今回は2回目。専門家らが情報の共有や分析を行った

 国は2回目接種を終了した人のうち、おおむね8カ月以上経過した人を対象に3回目の追加接種を行う方針を示している。市はこれに基づき、個別接種と集団接種を組み合わせて3回目接種を実施する予定。日時などは未定で、ワクチン供給などについて国や県に働き掛けていくとした。

 上越地域振興局健康福祉環境部・医監の山﨑理委員は、9月の県内陽性者のワクチン接種状況データ(上越保健所資料)を提供。県全体で陽性者の73・6%が未接種という結果を示し、「接種が進んでいない、または接種対象年齢外の若い世代が感染の中心だった。接種により感染を免れる効果が示唆された」と話した。

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