【衆院選2021】4年間の国会・政治・政局を振り返る(後編)

衆議院議員総選挙(以下、衆院選)が10月19日に公示され、10月31日に投開票日を迎えます。

前回2017年の衆院選は、自民党の圧勝という結果となりました。

それから4年間、どのようなことが起こってきたのでしょうか。

本記事では、今回の衆院選でも参考にしていただきたい、2020年から2021年の国政の動きをお伝えします。

YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」で同テーマを取り扱った動画は、こちらをご覧ください。

【関連】【衆院選2021】4年間の国会・政治・政局を振り返る(前編)

2020年1月 中国・武漢で新型肺炎発生

2020年1月、中国の武漢で新型肺炎が発生しました。

武漢では2019年12月から原因不明の重症肺炎患者が報告され始め、その後入院患者から新しい型のコロナウイルスが同定されました。武漢では感染拡大を受け、移動制限をするなど人の移動に関連した感染対策を実施しました。

当初「人から人への感染は限定的」と考えていた武漢委員会ですが、感染ルートなどから「人から人への感染もありうる」と見解を変更。マスクやうがい、手洗いなどで感染対策を行うよう、呼びかけていました。

日本での新型コロナウイルス感染症1例目は、1月15日に確認されました。

【参考】厚生労働省検疫所FORTHホームページ

【参考】国立感染症研究所ホームページ

2020年3月 東京五輪の延期が決定

2020年3月、東京オリンピック・パラリンピックが2021年夏に延期されることに決定しました。

当時、予定通りの大会開催を主張するIOC(国際オリンピック委員会)と、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の狭間で、東京オリンピック・パラリンピックの開催を疑問視する声が徐々に大きくなっていました。

IOC(国際オリンピック委員会)や組織委員会などが検討した結果、東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定。史上初となるオリンピック・パラリンピックの開催延期は、オリンピック開催まで4か月を切ったタイミングで決断されました。

2020年4月 初の緊急事態宣言

2020年4月、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく、初めての緊急事態宣言が発出されました。

当初緊急事態宣言が出されたのは、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都府県。その後、対象地域は全国に拡大されました。

人と人との接触機会を7割削減するために、外出自粛が呼びかけられ、学校の休校や商業施設の休業なども行われました。

そんな緊急事態宣言のさなか、家計への支援策として、1人10万円の特別定額給付金の支給が決定。

初めての緊急事態宣言は、5月14日から段階的に解除され、5月25日には全国で解除されました。

2020年7月 都知事選 小池百合子氏圧勝

2020年7月には任期満了に伴う東京都知事選挙が行われ、現職の小池百合子氏が圧勝という結果になりました。

現職としての強みを活かしつつ、無党派層や与党支持層、野党支持層など幅広い支持を集められたことが結果につながったと推測されています。

小池百合子氏は新型コロナウイルスの影響を考慮し、街頭演説は行わず、ネットを中心に選挙戦を戦いました。

選挙戦で小池百合子氏は「東京大改革2.0」を掲げ、あらゆる人が自分らしく輝ける東京を目指して挑戦していく思いをアピール。また新型コロナウイルスに対して、疾病対策予防センターの創設や医療体制の強化などを訴えていました。

2020年9月 新・立憲民主党の旗揚げ

2020年9月、立憲民主党や国民民主党などが合流し、新・立憲民主党が旗揚げされました。

衆議院議員107人、参議院議員43人の合わせて150人での結党となり、100人を超える野党第一党が誕生しました。枝野幸男代表は結党大会で、政権交代への意欲を見せていました。

新・立憲民主党には、閣僚経験のある有力議員も多数参加。党内で派閥のようなグループも作られました。

2020年9月 菅内閣発足

2020年9月には菅内閣が発足しました。

2020年8月に持病の悪化を理由に安倍晋三氏が内閣総理大臣を辞任したことによる、自民党総裁選挙で菅義偉氏が圧勝をおさめ、内閣総理大臣に就任したのです。発足当初内閣支持率は62%を超えるなど、国民からも高く期待されていました。

菅内閣は「2050年カーボンニュートラル」や「不妊治療の保険適用」、「デジタル庁の設立」「携帯電話料金の値下げ」などの政策を次々発表。

実務型と言われた菅内閣ですが、新型コロナウイルスの対応に追われることが多く、本来やりたかったことができなかったのではないかという声も上がりました。

2020年11月 大阪都構想 住民投票で否決

2020年11月、「大阪都構想」の是非を問う住民投票が行われ、反対派多数で否決されました。

大阪都構想とは、大阪市を廃止して4つの特別区を設置する政策です。賛成派、反対派による激しい論戦の末行われた住民投票の結果は、反対が69万2996票、賛成が67万5829票。

反対派が多数となったため、大阪都構想は実現しませんでした。この結果を受けて大阪都構想を訴えていた、日本維新の会と大阪維新の会の代表で大阪市長の 松井一郎氏は、市長の任期満了後、政界引退の意向を明らかにしました。

2021年7月 都議選 自民33議席、都ファ31議席

2021年7月には東京都議会選挙が行われ、自民党が33議席を獲得し、都議会第一党となりました。しかし最低ラインの目標としていた「自民党と公明党で過半数」にはおよびませんでした。

一方、前回の東京都議会選挙で躍進を見せた都民ファーストの会は、議席を14減らし、第一党の座を失いました。ただ当初自民党の圧勝が予測されていただけに、健闘したとの意見も聞かれました。

2021年9月 自民党総裁選 岸田文雄氏当選

2021年9月、自民党総裁選で岸田文雄氏が当選しました。

この自民党総裁選は、菅義偉氏の任期満了に伴い行われた選挙。菅義偉氏が不出馬ということもあり、注目されました。

今回の総裁選に立候補したのは、河野太郎氏、岸田文雄氏、高市早苗氏、野田聖子氏の4名。河野太郎氏と岸田文雄氏の決選投票となり、岸田文雄氏が勝利をおさめました。

2021年10月 岸田内閣発足

2021年10月、岸田内閣が発足しました。20人の閣僚のうち13人が初入閣となったたほか、副大臣・政務官人事で中堅や若手議員の登用も目立ちました。

岸田文雄氏はこの内閣を「新時代共創内閣」と銘打ち、社会変革や格差是正に積極的に取り組む意向を示しています。

まとめ

2020年から2021年に起きた出来事を振り返ってみました。

2020年は、新型コロナウイルスが発生したことで、さまざまな方面に影響が出ました。

2021年は、新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言が長期にわたりました。私たちの生活が大きく変わった2年間だったと思います。

10月31日に行われる衆院選は、今まで4年間の評価でもあります。この国政振り返り記事を、衆院選の投票先選びの参考にしていただけるとうれしいです。

【関連】【衆院選2021】4年間の国会・政治・政局を振り返る(前編)

~特設サイトへのリンク~(執筆協力:Ricca

© 選挙ドットコム株式会社