フェネストラズ、可夢偉、待ちに待った6戦目での開幕戦。ひさびさ参戦の一貴とカルデロン【第6戦もてぎプレビュー】

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 2カ月ぶりの開催となる2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。舞台となるのは、前回第5戦と同じツインリンクもてぎなのだが、この第6戦では参戦する顔ぶれが一部異なるというのが、見どころのひとつとなっている。そのなかで、最も注目を集めているのがサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)の今季初参戦だ。

 ちょうど2021年用の在留資格を申請しようとしていたところで、日本政府による外国人の入国規制がかかってしまった影響で、来日が叶わない状態が続いていたフェネストラズ。およそ10カ月ぶりに日本への入国が叶いツインリンクもてぎに到着すると、関係者らと笑顔の再会を果たしている姿が印象的だった。

「今日を迎えるのが本当に楽しみで仕方がなかった。サーキットについて、スーパーフォーミュラのクルマを見たときは……感動したよ! この10カ月のあいだ、どこか忘れかけていた“レースに対する情熱や想い”を思い出させてくれた」

 そう語ったフェネストラズ。当初予定していたスーパーフォーミュラやスーパーGTに参戦できず、精神的にも辛い時期を過ごしたというが、そのときに日本のファンの声援に救われ、モチベーションを保つことができたという。

「毎日のように日本への入国に関する情報を集め、大使館に連絡を取り続け、いつになったら日本に入れるのかを問い合わせていた。すごく難しく辛い時間を過ごしたけれど……日本のファンのみんなから、SNSなどでたくさんの応援メッセージを貰って、それが僕にとってはものすごい励みになったし、本当に助けられた。今はコロナ禍で直接会うのは難しいけれど、できることならファンのみんなに感謝の気持ちを伝えたい気分だ」

 今シーズン、KONDO RACINGはここまで苦しい戦いが続いており、5戦を終えてノーポイントという状態。その現状をフェネストラズもしっかりと理解しており、着実に目標をひとつずつクリアしていきたいと考えている。

「ここで何かを変えられればいいなとは思うけれど、トリッキーな状況には変わりない。とにかく言い訳をせずに、僕ができるベストを今週末は尽くしたいと思っている」

「新しいエンジニアと初めてのレースウイークを迎えることになるけれど、事前にオンラインで何度もミーティングをして、これまでのデータやレース映像も徹底的に見直してきたし、シミュレーターでのトレーニングも行ってきた。難しいチャレンジにはなると思うけれど、予選ではQ2、Q3とひとつずつ進んでいければと思う」

■勝つことだけを考える可夢偉と、まずは楽しむことを重視する一貴

 同じく、この第6戦が今季初参戦となるのが小林可夢偉(KCMG)だ。8月のル・マン24時間レースで初の総合優勝を飾った後のレースということもあり、金曜日はメディアの取材対応に追われるなど慌ただしく過ごしている印象だった。

 実は、スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿とWEC世界耐久選手権のバーレーン6時間と日程が重なっているため、小林にとっては今シーズン最初で最後の参戦となる。スーパーフォーミュラのマシンに乗ること自体が久しぶりとなるのだが、本人は“勝つこと”だけを考えて準備を進めていた。

「今回1度きりの参戦になるので、勝つことだけを考えていきたいです。まずは事前にしっかりと準備してきたものの辻褄が合うようにしていくしかないかなと思います」

「ただ、残念ながら予選までに走れるのがフリー走行の1時間30分しかないので、決して十分と言える時間ではないのですが、まずはそこを走ってみて……なのかなと思います」

 この一発勝負で、しっかりと結果を残すことができるか。注目が集まる週末となりそうだ。

2021スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ 小林可夢偉(KCMG)

 同じくWECの参戦に伴い、開幕戦以来のスーパーフォーミュラ参戦となる中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)も、小林と同様に第7戦鈴鹿は欠場となる予定だ。当然、週末の結果も意識している中嶋だが、まずは“楽しむ”ことを重視していきたいと語った。

「スーパーフォーミュラに関してはブランクが空いた分、このクルマに乗ることを純粋に楽しみにしている気持ちの方が大きいですね。ただ、楽しむだけでは意味がないので、もちろん結果の方も追求していきたいとは思っています」

「天候がどうなるのか微妙なところもあったりするので、できればフリー走行はドライで走りたいなというのが本音ですけど、そこはできる限り対応をしていきたいなと思っています」

 中嶋が駆る36号車は第2戦から第5戦までジュリアーノ・アレジが代役を務め、第3戦オートポリスでは優勝を飾った。「順調に戦えていて、良い結果も出してくれていたなという印象でした。その分、僕も乗りたかったなという気持ちもあります」と羨ましい気持ちを吐露していたが、前回の第5戦もてぎで思うように速さを発揮できなかったというところは気になっている様子。

「今回どうなるのか心配な部分もありますけれど、とにかくフリー走行で乗ってみないことには何も始まらないので、まずはそこからかなと思います」と、冷静に現状を捉えていた。

2021スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)

 そして、こちらも久しぶりの参戦となるのが、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)だ。第2戦鈴鹿以来の参戦となるのだが、スーパーフォーミュラでレースをするのを心待ちにしていた様子で「私にとっては6カ月ぶりのスーパーフォーミュラ……本当に長かった!」と開口一番に語っていた。

「こうして日本に来てレースができるということはうれしいけれど、明日1回しかないフリー走行で、このクルマのスピード感を取り戻さないといけない。すごくタフな状況だけれど、昨年も経験したことのあるコースでもあるから、そこは昨年よりも良い走りができると思う。まずは明日のフリー走行で正しい方向性を導き出し、予選・決勝と進んでいきたい。ポイントを獲得するというのが私にとっては目の前の目標だから、それに向かって今週末のベストを尽くしたい」

 それぞれに期待と不安が入り混じる第6戦ではあるが、まずは土曜朝のフリー走行からどんなパフォーマンスを見せるのか、非常に目が離せないセッションとなりそうだ。

2021スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)