『野尻完全包囲網』逆転タイトルに一縷の望みをかける“チャレンジャー4人”【第6戦もてぎプレビュー】

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 第5戦に続き、ツインリンクもてぎを舞台に繰り広げられる2021年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第6戦。最終戦を前に野尻智紀(TEAM MUGEN)がタイトルを決める可能性もあるなか、逆転タイトルに望みをかける4名のドライバーにとっても重要な一戦となる。そんな第6戦に向けた意気込みをそれぞれの“チャレンジャー”に聞いた。

 まずは、逆転タイトルへ向けて最低でも『決勝で3位以上』というハードルに挑む関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)に、今週末の意気込みを聞いた。

「いつもと変わらずです。“今回こそは勝つぞ”と意気込むだけでは勝てませんし、そんな甘いレースではないですからね。いつも全力で戦っていますし、いつも通り事前の準備もしっかりとしてきたつもりです」

「スーパーフォーミュラはフリー走行の時間も短いので、セッティングの変更もひとつひとつ間違いのない方向に、正しい道に行くように細心の注意を払ってですね。やはり、もてぎはレースに向けて特に予選が重要になってくるので、公式練習から予選に向けて慎重に、間違えた方向に行かないように、いつも通りやっていきたいと思います」

 日曜日は決勝中の降水確率が40%ほど、午前中は90%と高く、午前中に降った雨が路面に残り、決勝はダンプコンディションでの戦いとなることも予想される。しかし、それでも関口は「いつもと変わらない」と語る。

「いつも100%の全力でやっているので、コンディションや自分のランキング上で置かれた状況などで(取り組み方が)変わることはないです。自分の力を出しきる過程だったり、こうあるべきだという自分の理想の姿は常に自分のなかで持っています」

「常に自分の理想の100%を引き出すのは難しいので、いかに理想に近づけるかということをテーマに戦っているので、コンディションやランキングの順位などでは左右されません」

関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)

 一方、第5戦終了時点でランキング2位につけるも、有効ポイント制により2戦分のポイントが除外されるため、タイトルに望みを繋ぐには、関口よりも厳しい『予選2番手以上、決勝2位以上』という壁に挑むことになる大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)は「決勝はダンプコンディションになるかも、ということで非常にスリリングで面白いレース展開になる可能性もあると思いますし、チャンスという意味でもまだタイトル獲得という“火を消す”ところではないと思っています」と語った。

「ただ、第6戦も野尻選手が予選、決勝と相当なインパクトを残した第5戦と同じもてぎでの開催です。多少は涼しくなったとはいえ、野尻選手の“壁”を崩すのはなかなか難しいところではあると思います」と正直な思いを吐露する。

「しかし、日曜日はダンプコンディションかもしれませんし。前戦の屈辱を晴らすためにいろいろなものを変えてきたので、気持ちはチャレンジングですけど、今週末に向けたセットアップでもチャレンジングな方向性で第6戦に臨んでいます。それがどう機能するのか、というのも僕自身楽しみではありますし、『結構いいんじゃないか』という手応えもすでに感じています」

大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)

 逆転タイトルに向けて『優勝』が最低条件の福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は「第5戦が悔しい結果となってしまい、決勝もほとんど走れず、データ取りもすることができなかったので、本当によくない週末だったと思います」と、オープニングラップに発生したアクシデントによりリタイアとなった前戦を振り返る。

「でも、そのなかでも自分たちに足りないところがわかってきた部分もあったと思います。そこをどう今回のレースでリベンジできるか、実践できるかというところで杉崎(公俊)エンジニアと話をし、前回の反省を活かして、もっと自分たちのパフォーマンスを上げられるのではないかというところで、今週末は非常に楽しみです」

 福住にとっても逆転タイトルに望みを繋ぐ一戦となる第6戦。プレッシャーを感じているかと尋ねると「いや、まったくないですね」と語る。

「目標は大事なので、今もしっかりと目標はチャンピオン獲得です。でも、それについてのプレッシャーは感じてはいません。この状況で無理してリスクを取りに行くと、ミスをしてしまうという状況でもあると思います。なので、今自分ができる精一杯を出せるように、ですね」

 そして、福住のもうひとつの目標がスーパーフォーミュラでの2勝目を手にすることだ。

「本当だったら3勝目と言いたいくらいなのですけど(笑)。第4戦SUGOのときのような速さを見せられているときもあれば、ダメなときもあり、(成績が)安定していないのが自分自身の課題なのかなと思います。今週末はチームを引っ張っていけるように、頑張ります」

福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 そして、逆転タイトルに向けてはポール・トゥ・ウインを手にするしかない、もっとも厳しい条件で第6戦に挑む平川亮(carenex TEAM IMPUL)も、タイトル争いをあまり意識していないと語る。

「タイトル争いについてはそこまで意識はしていません。ここまで野尻選手がいい結果を出し続けた結果なので。第5戦は全部うまくやっていれば勝てたかもしれないポテンシャルがありました。今大会も同じもてぎでのレースなので、さらにポテンシャルを上げて、しっかりと優勝できるように、そっちに集中していきたいと思います」

「その状況に応じてきちんとセットアップやタイヤ交換に対応できるように、準備をしっかりとしといて、臨機応変にできるようにしておきたいところですね」

 今季第5戦終了時点で未勝利の平川は、2018年シーズン以来となる未勝利でのシーズン終幕となってしまう可能性もあり、“優勝”の二文字を渇望している。

「もちろん、ポール・トゥ・ウインできれば(タイトルの逆転の)可能性も残るはずですが、そこは結果としてそうなるのかなと思います。今年優勝できていないので、まずは優勝したいですね。前回も届きそうだったので、全然不可能な話ではないと思います。そこはしっかりと自分たちで組み立ててやれることができれば手にできると思うので、自信を持っていきたいと思います」

平川亮(carenex TEAM IMPUL)

 2021年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権の第6戦もてぎは、10月16日13時35分から公式予選が、そして17日14時45分から35周の決勝が行われる。逆転タイトルの可能性を残す大湯、関口、福住、平川が“ストップ・ザ・野尻”を果たせるかという点でも、第6戦は予選から目が離せない激戦が繰り広げられることになりそうだ。