小池都知事「ファーストの会」撤退で与野党安堵 山本太郎氏の“焦らしプレー”には批判

左から小池都知事と山本太郎氏(東スポWeb)

衆院選(19日公示、31日投開票)を前に去就が決まっていなかった〝2大爆弾〟に15日、動きがあった。

小池百合子都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」が母体となる「ファーストの会」は衆院選へ候補者擁立を宣言していたが、この日「公示日が早まったことなどを受け、都民の期待に沿う戦いは難しいと判断し、次の国政選挙にむけて取り組んでまいります」と代表の荒木千陽氏が国政進出の断念を発表した。

小池氏は一貫してファーストの会への関与を否定していたが、〝小池新党〟の撤退で各党は安心しているようだ。

「7月の都議選の結果を見ても、無党派層を中心に都民ファは一定の支持がある。当初、ファーストの会は東京25区すべてに擁立するとの話が出ていて、小選挙区での勝ち上がりは無理でも自民党、立憲民主党、維新の票をそぐ可能性があった。比例でも1~2議席は取れたのに撤退はもったいない」(永田町関係者)

一方、東京8区からの出馬を取り下げたれいわ新選組の山本太郎代表(46)はいまだ選挙区が定まっていない。

この日、会見で「一度、ヤケドをした身としては慎重にならざるを得ません。私だけじゃなく向こう側(立民、共産、社民)も慎重にならざるを得ない局面だと思います」と公示4日前にもかかわらず、選挙区を発表できないでいる。

すでに山本氏は小選挙区からの出馬は難しく、比例代表東京ブロック単独に落ち着くとの見方が大勢を占めている。山本氏は「選択肢の一つではあることは間違いない。(いつ決めるかは)再来週というわけにはいかないから、もうじきになります」と否定しなかった。

〝山本爆弾〟が、どこでさく裂するかが分からず、野党間では「また後出しジャンケンで野党の候補がいるところから出たら野党共闘は完全に決裂する」「もういい加減に決めてもらわないと困る」と迷惑がられている。

山本氏は東京8区断念に続き、現実的な選択を迫られる時が来ている。

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