最多勝投手や首位打者らも… 実績ある選手が揃う今オフFA市場の注目選手は?

中日・祖父江大輔、DeNA・山崎康晃、広島・大瀬良大地(左から)【写真:荒川祐史】

大瀬良大地、山崎康晃、祖父江大輔らタイトルホルダーがFA権を取得

2021年のペナントレースも残りあとわずか。両リーグの優勝争いも絞り込まれつつあり、セ・リーグはヤクルトがマジック「6」とし、阪神が2.5ゲーム差で追いかける。パ・リーグはオリックスが首位ながら、2位のロッテがマジックを「8」として、熾烈な戦いを繰り広げている。

シーズンが終わると、ストーブリーグの到来となる。オフの関心事といえば、FA市場での動向。そこで、今季新たにFA権を獲得し、注目を集めそうな選手をピックアップしてみよう。

○投手
・大瀬良大地(広島)Bランク
・山崎康晃(DeNA)Aランク
・九里亜蓮(広島)Bランク
・嘉弥真新也(ソフトバンク)Bランク
・又吉克樹(中日)Cランク
・祖父江大輔(中日)Bランク
・田島慎二(中日)Cランク
・岸孝之(楽天)Bランク

今オフは実績ある投手たちが新たに国内FA権を取得した。権利を行使した際には争奪戦になりそうな選手が多く、その筆頭は広島の大瀬良だろう。2018年には15勝7敗で最多勝と最高勝率を獲得。今季はここまで21試合に先発して9勝5敗、防御率2.96。先発を欲する球団にとっては、当然、候補の1人になるだろう。

中日・又吉克樹(左)と広島・久里亜蓮【写真:荒川祐史】

九里亜蓮は今季12勝、又吉克樹は64試合で防御率1.32と好成績

大瀬良の同期でもある九里も争奪戦になり得る選手。プロ入りからコンスタントに1軍で投げ続け、2017年から9、8、8、8勝をマーク。今季は初の2桁勝利となる12勝(7敗)とチームの勝ち頭となっている。楽天の岸は2度目の国内FA権取得となる。

リリーフで最も実績があるのはDeNAの山崎。プロ入り1年目から5年連続で50試合超登板、25セーブ以上をマークしている。昨季は調子を落としてシーズン途中から中継ぎに配置転換。今季も57試合で3勝2敗1セーブ27ホールドの防御率3.42と成績はイマイチながら、国際舞台も含めて経験値はピカイチ。復調に賭けて、獲得に乗り出す球団はあるか。

中日の祖父江、又吉、田島あたりも密かに注目を集めそうな存在。祖父江はプロ入りから8年連続で30試合超に登板し、昨季からはセットアッパーを任され、54試合に投げて2勝0敗3セーブ28ホールド、防御率1.79で最優秀中継ぎ投手を獲得。今季も55試合に投げて、1勝2敗5セーブ19ホールドで防御率2.59と投手陣を支えてきた。

又吉も今季復活を果たし、64試合に投げて3勝2敗8セーブで防御率1.32。田島も右肘手術から復帰し、21試合に投げて2勝1敗7ホールドと上々の成績。ソフトバンクの“左キラー”嘉弥真も権利を取得した。今季は58試合で防御率4.71と成績を落としているが、リリーフ左腕の欲しい球団にとってはターゲットになるか。

阪神・梅野隆太郎(左)とDeNA・宮崎敏郎【写真:荒川祐史】

野手では阪神・梅野、DeNA・宮崎が新たに権利を取得

○野手
・梅野隆太郎(阪神)Aランク
・宮崎敏郎(DeNA)Aランク

野手の注目株は阪神の正捕手・梅野、DeNAの好打者・宮崎の2人だろう。2014年からマスクを被り続けている梅野は2017年からレギュラーの座を確固たるものにし、今季は129試合に出場。3年連続でゴールデングラブ賞を獲得している守備面だけでなく、勝負強い打撃も魅力で、捕手に課題を残すチームにとっては補強候補になる。

宮崎はセ・リーグ屈指の好打者。2017年に打率.323で首位打者を獲得するなど、通算打率.302と高いアベレージを残る。2018年に28本塁打を放った長打力もあり、三塁守備にも定評がある。打線強化と三塁手が補強ポイントとなるチームにとってはうってつけの人材だろう。

○番外編
・菅野智之投手(巨人)

菅野は今季新たに海外FA権を取得。昨オフ、ポスティングシステムを利用してのMLB挑戦を目指したものの、契約が成立せずに残留を決断した。権利を行使しメジャー挑戦を目指せば、入札金額がかからないため、条件面では有利に働く可能性が高い。再び夢の舞台を目指すのか。その決断に注目が集まるだろう。(Full-Count編集部)

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