「沖縄で開催するなら私に」山本美憂、拳を磨いた沖縄で果たす弟との約束 RIZIN 11・20

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沖縄での生活や弟山本KID徳郁さんの思い出を振り返る山本美憂=沖縄アリーナ(小宮健撮影)

 沖縄で勇姿を見せる。11月20日に沖縄アリーナで行われる格闘技イベント「RIZIN(ライジン)」で元レスリング女子世界王者の山本美憂(47)が、シュートボクシング世界女子フライ級王者のRENAと対戦する。かつて沖縄で拳を磨いた山本は「家族とも言えるような人たちがたくさんいる。その人たちに成長した姿を見せたい」と熱い思いを語った。(比嘉大熙)

■大切な場所

 「沖縄で開催するんだったら、ぜひ私に戦わせてほしい。メインでやりたい」。沖縄大会のうわさを聞き、RIZINの榊原信行代表に志願した。山本にとって沖縄は、弟で「神の子」と呼ばれたプロ格闘家の故山本KID徳郁さんと共に総合格闘家としての礎を築き、約1年半過ごした大切な場所だ。「いつか沖縄で試合を」との願いが、ついに実現する。

 2016年に総合格闘技に転向し、デビュー戦でRENAと対戦。ニンジャチョークで一本負けを喫した。「打撃や寝技などまだまだ」と、敗戦した翌年に修業の場として選んだのが沖縄だった。弟と親交のあったボクシング元世界王者の平仲信明さんの下で打撃を磨いた。平仲さんのジムに家族で住み込んで練習に明け暮れていた。

■育児と両立

 その後、KIDさんが糸満市に格闘技ジム「KRAZY BEE 琉球」を開設。弟や息子のアーセンと一緒に心血を注いだ。KIDさんががんで亡くなった18年以降は、自身がジムの代表を務める。

 当時、総合格闘家のキャリアをスタートさせたばかりの山本は3人の母でもあった。競技と子育てを両立させ、練習が忙しいと、ママ友に息子の迎えを頼むこともあった。「練習に集中できたのは周りの人たちのおかげ」と、グアムに移住した今でも当時の恩を覚えている。

 11月20日の試合は、RENAとのリベンジマッチとなる。5年前に敗れた時、弟から言われた「絶対にやり返そう」の言葉を胸に競技を続けてきた。「弟と共に過ごした沖縄で約束を果たしたい」。特別な思いを背負ってリングに向かう。

山本KID徳郁さん