エバンスが総合2番手、オジエ3番手に「初日からエキサイティングな展開」とラトバラ/WRCスペイン

 10月15日、スペイン・サロウを中心に開催されているWRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・スペイン』のデイ1でSS1~6が行われ、トヨタ・ヤリスWRCで参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、エルフィン・エバンスが総合2番手、セバスチャン・オジエが総合3番手、カッレ・ロバンペラは総合5番手につけた

 昨年の大会が新型コロナウイルスの影響を受けて開催中止となったため、2年ぶりの開催となり同時にオールターマック(舗装路)ラリーへと生まれ変わったラリー・スペイン。その初日のデイ1はサービスパークの北西エリアで、3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行するスケジュールで争われた。

 早朝は14度前後、日中は23度前後と1日をとおして穏やかな天気が続き、路面は終日ドライコンディションが保たれたこの日のオープニングステージを制したのは、前戦フィンランドで今季2勝目を飾ったエバンスだった。
 
 彼は総合首位に立って迎えたSS2、SS3でもベストタイムを記録。午前のループ最速ドライバーとなり、初日の前半をトップで折り返すことに成功した。

 しかし、午後のループでも好走を見せていたエバンスだったが、SS5ではとくにグリップが低いコーナーでコーナリングラインが乱れ大きくタイムロス。これに乗じたライバルのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合順位でエバンスを上回ったが、その差はわずか0.7秒だ。

セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第11戦スペイン

 エバンスに24ポイント差をつけてドライバー選手権をリードし、通算8回目のタイトル獲得に王手をかけているオジエは、午前中のステージで2、3番手タイムをマーク。また、午後のステージでは3、4番手タイムを記録するなどクレバーな走りでラリー初日を走破。総合2番手のエバンスと18.7秒差の総合3番手で1日を終えた。

 一方、今季すでに2勝を挙げている21歳のロバンペラは、WRカーでは初出場となるラリー・スペインのステージにやや苦戦。それでも、ステージごとに改善を重ねていき、総合5番手につけている。

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加し、トヨタ・ヤリスWRCで出場の勝田貴元はSS1でクラッシュを喫した。彼はこのステージを最後まで走り切ったものの、クルマの左フロントにダメージを負い、リエゾン(移動区間)でデイリタイアを選択することになった。勝田は16日(土)のデイ2で再出走する予定だ。

「初日からエキサイティングな展開になったし、いつものように、このラリーのターマックステージではタイム差があまりつかなかった」と語るのはTOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。

「とはいえ、今朝の最初のステージではエルフィン(・エバンス)が信じられないようなタイムを出し、フィンランドで見せたスピードを今回も発揮してくれた」

「午後のステージでも良いタイムが出ていたし、1日を終えて上位ふたりのタイムはかなり僅差だ」

「また、チームとしては、セブ(セバスチャン・オジエ)が総合3番手以内に入っていることも非常に喜ばしことだし、カッレ(・ロバンペラ)もこのスペインの道での経験が多くないながらも、とても良い仕事をしている」

 トヨタ勢のさらなる活躍が期待される競技2日目、16日(土)のデイ2はサービスパークの北東エリアで、前回大会でも使用された定番の3本のターマックステージを日中のサービスを挟んで各2回走行する。また、1日の最後にはサロウの海岸近くで全長2.24kmの市街地ステージも行われる予定だ。計7本のSSの合計距離117.45kmは今大会最長。リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は491.33kmだ。

TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表(中央)
カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第11戦スペイン

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