アントニオ猪木氏 藤原組長との対談でマット界に忠告「一言だけ言いたいのは、ファンに媚びるなって」

藤原組長(左)とプロレス談議に花を咲かせた猪木氏(アントニオ猪木「最後の闘魂」チャンネルより)

闘病中のアントニオ猪木氏(78)が16日、自身のユーチューブチャンネル「最後の闘魂」で、愛弟子の藤原喜明組長(72)と対談。現代のプロレス界にアントン流の〝喝〟を送った。

猪木氏は9月29日に愛弟子3人(藤原組長、長州力、藤波辰爾)と対面した模様の一部を「デビュー60周年3本勝負」と称し公開。この日はその中の1本目として、藤原組長との対談のロングバージョンがアップされた。

藤原組長から「毎日ぶん殴られて、恫喝は普通ですもんね。『お前ら辞めちまえ』って」との言葉から、思い出話に話を咲かせた2人。話題は現在のプロレス界についても及び、猪木氏は「プロレスも大きく変化しちゃったから。俺のことを知らない…、まあまあ知ってくれてはいるけど、俺の世代ではないから俺の現役なんて知らない連中がやっているわけでしょ」。これに藤原組長もうなずき「新日本なんて、猪木さんの弟子ももういないんですよね」と時代の移り変わりに思いをはせた。

途中、藤原組長を「おだてるわけじゃないけど天才だったね、君は」とたたえつつアルコールにまつわるエピソードや、東北地方の屋外会場で雪が降る中で試合をした思い出話を語り合う。そして終盤には故マサ斎藤さん(享年75)との巌流島決戦の話題から「プロレスのルールは変わったし、スタイルは変わったし…。俺が一言だけ言いたいのは『ファンに媚びるな』って。昔は『見たくない奴は見に来るな』って。見たくない奴が見に来るはずないけど、それくらいのいきがっている部分があってね。今は一生懸命ファンに媚びて…」と話した。

酒豪として知られる藤原組長を前に「酒もまた飲めるように復活するからね。いい酒飲もうよ」と笑うと、最後は2人で「1、2、3、ダー!」をバッチリ決めて締めた。

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