衆議院の解散にともない、10月31日に衆議院議員選挙(以下、衆院選)が行われる予定です。
衆議院議員選挙では、「小選挙区比例代表並立制」という選挙制度を採用しており、小選挙区選挙と比例代表選挙が同じ投票日に行われます。
ふたつの選挙にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、小選挙区選挙を中心に、制度の違いについてもわかりやすく解説します。
比例代表選挙について知りたい!という方はこちらの記事もご覧ください。
【関連】【衆院選2021】衆議院議員選挙の比例代表制とは?仕組みを解説!
衆院選の小選挙区選挙とは?
衆院選の小選挙区選挙では、衆議院議員の定数465人のうち289人を選出します。
また、残りの176人を比例代表選挙によって選出します。
衆院選の選挙制度は、このふたつの選挙を同時に行うことから「小選挙区比例代表並立制」と呼ばれます。
衆院選の小選挙区選挙は、日本全国を289の選挙区に分け、1選挙区から1人を選出する制度です。
小選挙区の区分けは5年ごとに行われる国勢調査のデータをもとに、一票の格差等を考慮し決められています。
選挙区は人口の多い地域ほど細かく区分けされます。例えば、現在東京都は25、大阪府は19の小選挙区に分けられています。
現在の区分けは2017年に改定されたもので、2022年にも改定される予定です。
投票所で1枚目にもらう紙に個人名を書く
衆院選では、投票所で受付をして小選挙区用の投票用紙を最初に受け取ります。
投票記載台に候補者一覧が貼られているので、候補者の個人名を書いて投票します。
政党名ではなく、個人名を書くのがポイントです。
小選挙区の投票が終わったら、続いて比例代表の投票を行います。
比例代表では、投票用紙に政党名等を記入します。
落選しても「比例復活」できる可能性がある
衆院選では、小選挙区で当選できなくても、比例代表で当選することがあり、これを「比例復活」といいます。
その場合には、小選挙区での「惜敗率」という指標が当落の分かれ目になることがあります。
「惜敗率」とは、小選挙区で落選した候補者が当選者の得票数の何%の票を獲得できたかという数字です。
詳しくはこちらの関連記事をご覧ください。
【関連】【衆院選2021】比例復活とは?小選挙区で落選しても当選する仕組みを解説!
比例代表選挙との違いは?
衆院選では小選挙区選挙のほかに、比例代表選挙も行われます。
ふたつの違いはどこにあるのでしょうか。
まず、区分けが違います。小選挙区選挙が289に区分けしているのに対し、比例代表選挙では全国を11のブロックにわけ、1ブロックに複数の当選人数が割り当てられています。
また、投票する対象も違います。小選挙区では候補者名で投票するのに対し、比例代表では政党名等で投票するのも特徴です。
比例代表では、政党等の得票数と、政党が独自に定めた順番で当選者が決まります。
有権者が決められるのは「その政党から何人当選するか」という点です。
なお、参議院議員選挙でも比例代表選挙がおこなわれますが、制度内容は異なります。
比例代表選挙についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。
【関連】【衆院選2021】衆議院議員選挙の比例代表制とは?仕組みを解説!
まとめ:選挙区の中から1人が当選!
10月31日に実施される衆院選の「小選挙区選挙」について解説しました。
衆院選の小選挙区選挙の特徴は大きく以下の4つにまとめられます。
- 日本全国を289の選挙区に分け、1選挙区で1人当選する
- 区分けは一票の格差等を考慮して定期的に見直される
- 投票の際は個人名を記入して投票する
- 小選挙区で落選しても比例復活する可能性がある
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(執筆協力:夏森アキラ)