ダンプ松本 伝説の髪切りマッチを語る「今みたいな状況なら、殺されているかもしれないよね」

41周年還暦大会では、恩讐を超えて長与(左)と対戦し、祝福されたダンプ(東スポWeb)

全日本女子プロレスマットで「極悪同盟」として日本中の憎悪を一身に浴びた〝極悪女王〟ダンプ松本(60)。現在も現役を続ける中、今年3月3日のスターダム日本武道館大会でジュリア vs 中野たむの敗者髪切りマッチが行われたことで、自身と長与千種との髪切りマッチ(1985年8月28日、大阪城ホール)が改めてクローズアップされた。インタビュー後編では、令和によみがえった伝説の一戦を振り返ると同時に、今後の女子プロ界への思いを語った。

【ダンプ松本・インタビュー後編】

――今の女子プロ界をどう見ている

ダンプ どういう試合をやっているか見たことないから、昔とはこんな違いがあるというのは分からない。でも若い子たちがいて、いっぱいいろんな団体があって頑張っている。それはいいことだよ。女子プロレスというものをなくしてしまわないためにも、みんなこの先も頑張ってほしい。どの団体もそれなりに頑張ってくれれば、上に上がっていけるわけだから。

――スターダムの髪切りマッチで自身の髪切りマッチが改めて注目された

ダンプ それはうれしかった。人づてに聞いた話だけど、今でも大阪城ホールで開催される大会では、その時の映像が毎回流れるんだって。永遠に流してほしいよね。

――伝説の一戦を今のファンにも

ダンプ もちろん昔と今は違うだろうけど、今の人たちが知ってくれるのはうれしい。現役をやっている限りはね。そうじゃないと、何のためにやっているのか分からないよね。だからそれ(映像)を流してくれるのがすごくうれしいよ。

――当時は日本中から誹謗中傷の嵐だった

ダンプ 石を投げられたり、嫌がらせをする人がいっぱいいたからね。家に泥棒が入ったり。

――今の時代もSNS上でのアスリートへの誹謗中傷が深刻化している。この現状をどう見る

ダンプ まあ、それとは多分内容が全然違うと思う。時代の変化だよね。もし昔の自分の全盛期の時にSNSなんかがあって、今みたいな状況なら、ひょっとしたら殺されているかもしれないよね。あの時もひどいことをされたけど、今は変な人も多いし、それ以上のひどい状況になってたと思うよ。(終わり)

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