コスパ最高のデカトロン ソロ用テント「FORCLAZ (フォルクラ) キャンプ・トレッキング・登山用テント TREK 500」をレビュー

こんにちは。夏場のソロテントはできるだけ簡単に立てられるのが好きなくにぱぐです。今回はデカトロンのブランド「FORCLAZ (フォルクラ) 」から発売された「キャンプ・トレッキング・登山用テント 3シーズン用 自立式 ドーム型 TREK 500」について紹介をしてみます。登山用テントであるため、とにかく小型で頑丈。そのくせ細かいところまでよくできており、ソロテントとしてはラグジュアリーなムードも漂うほど。しかもお手頃価格という「これからソロキャンプを始めたい」人には要注目なテントですよ!

【基本情報】「FORCLAZ (フォルクラ) キャンプ・トレッキング・登山用テント TREK 500」とは

出典:デカトロン TREK 500(FRESH&BLACK 2人用)

デカトロンはフランス発のアウトドア・スポーツ用品ショップ。特にアウトドア系の製品はコストパフォーマンスが良好で、誰にでも扱いやすいように考えられた、安心して使えるものが数多く揃っています。

そんなデカトロンの中の登山関連ブランドが「FORCLAZ (フォルクラ) 」です。

登山系のギアは、キャンプ向けのものに較べて軽量かつコンパクト、そして高性能な分お値段も高い、というのが定説でしたが、さすがデカトロンというべきなのが「FORCLAZ (フォルクラ) 」の登山系ギア。

高品質なまま価格は削ぎ落されており、純全たるキャンプギアとして見ればむしろ「安価でハイスペック」という、嬉しい製品になっているのです。

出典:デカトロン TREK 500(FRESH&BLACK 2人用)

今回紹介するのは「TREK 500(FRESH&BLACK 2人用)」という登山用テント。

非常に高性能でラグジュアリー、かつお求めやすいソロ用テントだと言えます。

なお、デカトロンは全商品ネット通販で販売しており、付近にショップがない場合、お求めは以下から行うと良いでしょう。

「TREK 500」の設営手順

まずは早速、「TREK 500」を設営してみましょう。

1. テントのパーツをチェック

筆者撮影 ※画像は自宅にあったテンマクデザイン「サーカスコットン」との比較です。

総重量3.1kg。11L(サイズ39×17×17cm)というコンプレッションバッグに収まった「TREK 500」は一見テントとは思えない小ささです。

筆者撮影

このバッグを拡げてみますと、「テント本体」「ポール3本(長2本/短1本)」「ペグ12本」「リペアキット」「ガイロープ」が入っています。

テント本体はフライシートとインナーテントが一体化したダブルウォールタイプ。ダブルウォールタイプなので結露に悩まされることはなく、しかも一体型なので迅速な設営撤収が可能です。

ポールは細めのアルミ製ですが、接合部の合いはかなりしっかりとしており、また万が一折れてしまった場合も、付属のリペアキット(一回り太いアルミパイプ)により応急修理ができるので安心です。

ペグは必要な数だけ揃っており、12本打ち込むと非常に堅牢な設営が可能で、多少の風ではびくともしません。

なお、設営には極力すべてのペグを打ち込むべきですが、ガイロープ固定なしの8本でも、かなりしっかりとした設営になる感じはあります。(正直8本で十分だと思いますが、この辺は自己責任の範囲なので明言はしにくいです)

2. テント本体を地面に拡げる

筆者撮影

パーツが揃っていることを確認したら、早速設営をしていきましょう。

まずはテント本体を地面に広げます。比較的綺麗な長方形のテントで、前後に違いがないため、拡げるのはとても簡単です。自立式のテントで、組み立て後の移動も簡単なので、位置決めなどもだいたいで構いません。

3. 長いポール2本をスリーブに挿し込む

筆者撮影

3本のポールのうち、2本を組み立てます。組み立てはショックコードで連結されている部分をパチパチとはめ込んでいくだけなので簡単です。

出来上がったポール2本を対角線になるようにフライシート外側のスリットからスリーブ(ポールの通り道)に挿し込んでいきます。

この段階ではポールを折り曲げず、2本ともスリーブの奥まで挿し込むだけにします。また、「引っ張る」をすると、ポールの接合部が外れてしまうので、ポールは必ず「押し込む」だけで挿し込むようにしましょう。

4. ポール末端を1か所ずつグロメットに挿し込んで立ち上げる

筆者撮影

2本ともポールをスリーブに挿し込んだら、いよいよ立ち上げです。

ポールの末端をグロメットというカップ型の器具に挿し込みます。ポールを大きく湾曲させないと入らないのですが、湾曲させ、挿すことでテントが立ち上がります。

少しだけこのテントが独特なのは、グロメットがポール1本につき1か所ずつしかないこと。普通は両端をグロメットに挿し込むのですが、「TREK 500」の場合はスリット側にしかグロメットがなく、もう片方はスリーブそのもので固定します。これも登山用テントに多い、頑丈な構造です。

このため、2箇所だけ頑張って挿し込めば立ち上げは完了です。

5. ルーフ部のポールを固定する

筆者撮影

ルーフ(屋根)にはひさしがあり、これを固定するためにポール(短)を使用します。

筆者撮影

両端をグロメットに挿し込み、ポールクリップを引っかけます。これでテントそのものは完成です。

6. フライシート8箇所のペグを打って地面にテントを固定する

筆者撮影

テントが完成したら、ペグを打っていきます。インナー、フライシートのファスナーが完全に閉まっていることを確認の上、まずはポールがささっている4隅4箇所をペグダウンします。(ファスナーが開いたままだと、ペグダウン後ファスナーが閉まらないことがあります)

次にフライシートの前後左右4箇所をペグダウンします。

この時、なるべくピンとテントを引っ張るようにしてペグダウンしましょう。綺麗な見た目になるだけでなく、インナーテントとフライシートの間に適切な空間が産まれ、前室や空調がきちんと機能するようになります。

7. ガイロープをテントに結び付けてペグダウンし完成!

筆者撮影

ガイロープはテントに予めついているロープのリング状の器具に、画像のように引っかけるだけで結びつけることができます。先端は自在金具もついているので、初めての設営でもすぐに4箇所のペグダウンはできると思います。

これで完成。慣れてしまえば15分から20分で立てられると思います。簡単に設営できる様子はデカトロン公式動画でも紹介されていますので、下記をご覧ください。

「TREK 500」の魅力を徹底レビュー!

出来上がった「TREK 500」がどんなテントなのか?実際にキャンプ場で使用した際の魅力を4つ、紹介していきましょう。

魅力1:アウター生地「Fresh&Black」により抜群の遮光性!

筆者撮影

「TREK 500」には許取得済みのアウター生地「Fresh&Black」というものが用いられており、インナーテントの室内は真っ暗です。その遮光性能は極めて高く、日中であってもファスナーを締めきってしまえば夜と変わらないほど。

筆者撮影

この効果は大きく二つあり、一つには文字通りの遮光性が挙げられます。昼間でも真っ暗なため、昼寝をしたい時や、朝の二度寝を楽しみたい時には便利です(朝寝の場合は寝坊に気を付けないといけないほどです)。

また、もう一つの効果として、テントの外側は紫外線を弾く塗料が塗布されており、テント内の温度が上がりにくい利点もあります。夏場など、他のテントに比較すると涼しく過ごせるのです。

魅力2:考えられた空調機能で、夏でも蒸れずに快適に過ごせる!

筆者撮影

「TREK 500」は2箇所、ベンチレーターが備わっています。比較的しっかりとした支柱パーツで立ち上げて固定ができるので、ここからの空調が期待できます。

筆者撮影

テントの前後には登山ブーツぐらいなら気軽に置ける大きな前室が備えられており、フライシートのファスナーを開けると、インナーテントのドア部分は上半分がメッシュとなっています。かなり風通しはいいです。

筆者撮影

さらにテント左右の足元(枕元)のファスナーも開けるとメッシュが露出するようになっています。これだけ開口部があるので、夏場でも風通しよく、蒸れずにテント泊ができます。

また、結露もほぼ起こらない構造でもあります。

魅力3:洗濯物も干せる! 一人なら快適すぎるインナーテント

筆者撮影

「TREK 500」のインナーテントの天井部分には、通常のランタンフックのほか、洗濯物を干すためのロープが渡されています。

これはたるまないように引っ張って固定することもできるので、使わない場合であってもほとんど邪魔にはなりません。

筆者撮影

もちろん物入用のポケットもついています。

筆者撮影

これだけ装備が安定していて、室内高さは最大108cmもありますので、座椅子を入れてしまえば、お籠りキャンプも楽しく過ごせる感じです。

しかも入口と前室が前後に等しくあるので、2人で使う場合も出入りに気遣いが無用という利点があります。床面積は、タテ210cm、ヨコ120cm。さすがに寝るだけにはなってしまうと思いますが、2人使用でも窮屈感は感じにくいテントです。

魅力4:悪天候に強い! 防水+耐風性能

筆者撮影

「3シーズン用」と謳っていますが、「TREK 500」が対応しきれないのは、ポールが重量に耐えられない「積雪」のみであり、それ以外の天候にはかなり強いテントです。

降雨に関しては、熱帯の降雨を想定、200L/m²/h、4時間のシャワー試験を実施しており、風に対しても、地面レベル風速が70km/hというレベルまで耐えられるという実験結果があります。

実際フライシートは触って見ても「ぺらぺら」という感じはまったくなく、12本のペグでガッチリと固定しさえすれば、確かに嵐でもびくともしない印象はあります。

万が一ポールが折れても、画像のような補修パーツがセットされているのも心強いです。この辺はさすが登山用ですね。

ただし、インナーテントのフロア部分はそこまで強固な感じはありません。このテントにはグランドシートが付属しませんので、これだけは自前で用意したほうが良さそうです。

試したところ、DODの2人用グランドシートはピッタリのサイズ感でした。グランドシートがあるとフロア部分が汚れず、テントが長持ちし、撤収も短時間になります。

どんなものでも構いませんが、グランドシートは是非用意しておきましょう。

「TREK 500」がオススメな方

ソロ用テント「TREK 500」はこんな人にオススメです。

筆者撮影

バックパックキャンプ、キャリーケースキャンプを楽しみたい方

ソロ用テントとしてもかなり小型で軽量な「TREK 500」。徒歩や自転車など、持っていける荷物に限度があるキャンプには非常に向いているテントです。

バックパックやキャリーケースでの運搬でも場所を取りません。一方でテントとしての機能はかなりしっかりしています。

徒歩や自転車でのキャンプはかなり体力を消耗しますが、これだけしっかりしたテントであれば、疲れも癒しやすいのではないかと思います。

見た目もなかなかスタイリッシュですし、バックパックキャンプ、キャリーケースキャンプにはかなりオススメです。

ソロキャンプデビューに最適なテントを探している方

「TREK 500」は室内にもある程度のゆとりがあり、これ1つあればある程度、どんな陽気のどんな天気のキャンプにも耐えられるテントです。

価格のお手頃さ、設営のしやすさも含め、ソロキャンプに挑戦をしてみたいという人には最適なテントだと思います。

ソロキャンプも初期投資はなかなかバカにはなりませんが、まずはテントを「TERK 500」にすることで、他の装備も充実させることができるでしょう。

「TREK 500」をオススメしない方

ソロ用テント「TREK 500」は、こんな人にはオススメできません。

ソロでも重装備キャンプが好きな方

大型のティピーテントに薪ストーブを入れて楽しみたい、といういわゆる引き籠りキャンプが好きな方に「TREK 500」はあまり合っていません。

いうまでもなくこれはサイズの問題で、このテントを使う以上、通常はほとんどテント外で過ごすことになるからです。

タープを張ってその下で過ごすのも楽しい、という人ならよいのですが、「重装備で引き籠りたい」という人には、もっと違う選択肢があると言えるでしょう。

朝どうしても寝坊しがちな方

前述の通り、このテントはインナーテントの中が本当に真っ暗です。

静かなキャンプ場で目覚まし時計もかけないと、昼か夜かもわからないぐらいの感じになります。朝寝坊しがちな方は、「TREK 500」を使うと、冗談抜きに朝起きられない可能性があります。

もちろん目覚まし時計なりで起きられればよいのですが、場合によっては撤収時間に影響が出るようなこともありますから注意は必要です。

「TREK 500」は地味だけれど初心者にこそ重宝するテントのはず!

筆者撮影

私もソロキャンプは4~5年ほどやっており、都合これまで6種類ぐらいのテントをソロキャンプに使ってきましたが、実はここまでオーソドックスなドーム型テントは初めてです。

筆者撮影

今はソロ用でも、快適性に優れていたり、もっと見栄えのするテントも多数出ています。私に限らず、ソロキャンプだからといってシンプルな、悪く言えば地味な、小型のドーム型テントをわざわざ選ぶキャンパーも少ないのではないでしょうか?

しかし設営してわかったのは、この形状は頑丈で、しかも設営がしやすく、あらゆる状況に適応しやすいという驚きでした。そして、そういう利点は、初心者にこそ得難いものだと思います。

ベーシックでタフな機能性に加え、高い遮光性や一体型ダブルウォールタイプなど独自の工夫も多い「TREK 500」は、私にとってまた使ってみたいテントになりました。

あまり称賛ばかりするのもどうかとは思うのですが、正直、地味という意外にこれといって欠点が見当たらず、ゆえにソロキャンプを始めてみたいという方は、是非候補に入れてみてもよいテントではないかと思います。

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