【競泳】31歳・入江陵介 東京五輪を終え…現役続行を決意した「2つの理由」

入江陵介(東スポWeb)

背中を押したものとは――。競泳男子で東京五輪の代表主将を務めた入江陵介(31=イトマン東進)が、現役続行を決意した「2つの理由」を語った。

4大会連続となった大舞台は個人、リレーの計3種目に出場。100メートル背泳ぎは決勝進出を逃すも200メートル同で7位入賞を果たした。また、400メートルメドレーリレーは第1泳者を務めて6位入賞とともに3分29秒91の日本新記録に貢献。主将としてもチームをけん引した。

全身全霊を注いだ五輪を終え、すぐに切り替わったわけではない。その後は約3週間、休養期間を設け「本当の気持ちと向き合ってきた」という。そうした中で「会社の社長と話させていただいたりして、いまスパッとやめることが正解ではないなという思いがあったり、言ってしまえばバック(背泳ぎ)が育っていないという部分があった」

再スタートを切る決心がついたのは、仲間や周囲の存在が大きい。「コーチ陣や選手からメドレーリレーでもう1回メダルを取りたいという気持ちがすごく強くなったというのを聞いた」。2012年ロンドン五輪銀メダルなど数々の国際大会で表彰台に立った入江にとって新たな目標となった。

さらに、現役生活にこだわる理由は観客の前で泳ぎたいという思いからだ。来年1月に32歳を迎えるベテランは「ここ最近ずっと無観客。最後にお世話になった方々の前で泳ぎたいという気持ちもあるし、皆さんもやっぱり会場が盛り上がるところで見たいという人も多いと思うので、そういう雰囲気を最後に見たい」と話した。

来年5月の世界選手権(福岡)出場を目指し、その上でメダル獲得を狙う入江。個人種目は100メートルに絞る可能性を示しつつ、柔軟な姿勢で「まずは3月(の選考会)に成績を残すことだけ考えたい」と言葉に力を込めた。

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