来年5月の比大統領選、立候補届け出締め切り後も交代可能、ドゥテルテ氏長女の動向が焦点

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来年5月のフィリピン正副大統領選の立候補届け出が締め切られ、候補者が出そろった。各種世論調査でトップを走るドゥテルテ大統領の長女のサラ氏は立候補を見送ったが、期限までに届け出済みの別の候補者との交代も可能。待望論が盛り上がるのを待つ作戦ともみられ、その動向が焦点だ。

地元メディアによると、8日の立候補締め切りまでに届け出たのはプロボクシングで世界6階級を制したパッキャオ上院議員、マニラ市のモレノ市長、マルコス元大統領の長男のマルコス・ジュニア氏、ロブレト副大統領ら。来年2月8日から選挙戦が始まり、投票日は5月9日。

パッキャオ氏は与党PDPラバンの一部から候補に指名され、「私はリングの中でも外でもボクサーであり続ける」と受諾した。2010年から下院議員を務め、16年に上院議員に当選。早くから大統領の座に意欲を示していた。

モレノ市長はマニラ首都圏の貧困地域トンドの出身で俳優としてスカウトされて芸能界にデビューした異色の経歴の持ち主。経歴から貧困層や女性の支持も強く、「清潔な政治家」としての期待も高まっている。

マルコス・ジュニア氏は一族の地盤であるルソン島北部のイロコスノルテ州の知事や上院議員を経て、16年の大統領選で副大統領候補に名乗りを上げたが、小差で落選していた。父親の代からの根強い支持層がある。

副大統領選立候補の「ウルトラC」に打って出たドゥテルテ大統領は憲法違反と批判されて出馬を最終的に撤回。政界引退を表明した。

こうした中、父親の後を継いで南部ミンダナオ島のダバオ市長を務めるサラ氏は2日、正副大統領選と同時実施のダバオ市長選に再選を目指して立候補を届け出。大統領選には出馬しない構えを示した

一方で比大統領選の規定によると、11月15日までは立候補者が自らは辞退し、別の候補者に代わりに出馬してもらう「交代届」ができる。前回の大統領選でもドゥテルテ氏は交代届を出して急きょ出馬し、当選した。

今回の大統領選は抜きんでた候補者がおらず、混戦模様。情勢を見極める「後出しじゃんけん」も可能で、この仕組みを利用してサラ氏が最後に登場すれば選挙戦の様相が一変する可能性も残されている。(編集/日向)