熊本県内の各陣営、コロナ対策に苦心 2021衆院選 検温徹底、事務所は数棟分散

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衆院選に向けた総決起集会で、来場者の検温をするスタッフ=14日、玉名市

 4年ぶりの衆院選の公示が19日に迫る中、立候補予定の各陣営が新型コロナウイルス対策に苦心している。熊本県内第5波は収束したものの、万が一、候補者自身が感染すれば選挙にとっては致命傷だ。陣営や集会でクラスター(感染者集団)が発生してもダメージは大きく、感染対策に細心の注意を図る。

 14日、熊本2区に出馬する無所属新人が玉名市で開いた総決起集会。受付ではスタッフが、千人を超すという支持者一人一人に非接触式体温計を向けて検温していた。漏れがないよう、検温済みの参加者には胸にシールを貼ってもらう徹底ぶりだ。

 来場者を分散させるため、会場の外には集会の様子を映すモニターも設置。こうした対策の労力は小さくはないが、陣営幹部は「行政のガイドラインに沿って適切に対応する必要がある」と気を引き締めた。

 熊本3区の社民新人が菊池市に設けた後援会事務所では、大皿におにぎりを並べる恒例の炊き出しを中止に。時間に追われるスタッフらの胃袋を支える存在だが、陣営幹部は「感染リスクを減らすため、コンビニ弁当で」と話す。

 熊本1区の自民前職陣営は、熊本市東区の事務所をプレハブ4棟に分けた。もし誰かが感染しても、別の棟にいたスタッフは濃厚接触者にならず、運動を継続できるからだ。自民前職は「不便な面もあるが、危機管理の一つだ」とする。

 19日の出陣式や出発式も気は抜けない。熊本4区の立民前職陣営は、参加者を政党や支援団体幹部に絞り、幅広い呼び掛けは見送る方針だ。3区の社民新人は候補者と参加者の距離を広げ、30分の予定をさらに短縮できないか調整している。

 コロナは選挙運動にも影響を与えそうだ。3区の社民新人陣営幹部は「遊説では握手の代わりにアイコンタクトで感触を探る」と話す。

 1区の自民前職は、支援を受ける県議や市議のSNSまで総動員した空中戦と地上戦との「ハイブリッド型選挙」を企図。陣営幹部は「どこまで票に結び付くか手探りだが、SNS発信の比重を増やす」とする。

 2区の無所属新人陣営では、支援者がコロナ感染を恐れて集会に足を運ばない可能性も想定し、電話作戦も重視する。幹部は「電話の担当者を手厚く配置した。できれば2回、3回と投票を依頼したい」と力を込めた。(衆院選取材班)