中国のヒット映画「長津湖」、韓国で猛反発「朝鮮戦争の歴史歪曲する危険な宣伝作品」

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ドイツメディアのドイチェ・ベレは15日付で、中国国内で大ヒットした朝鮮戦争を描いた「長津湖」に対して、韓国では「歴史を歪曲」、「危険だ。一般の中国人は、これが宣伝だと知ることができない」などとして、強い反発が発生していると紹介した。

作品が扱ったのは、1950年11月末から12月にかけて発生した「長津湖の戦い」だ。この戦いは、米軍を中心とする国連軍と中国人民志願軍の初めての交戦だった。国連軍はそれまでに、北朝鮮軍を中朝国境近くまで追いつめていたが、中国の参戦により国連軍は大きく後退せざるをえなくなった。

「長津湖」は中国国内で興行収入の記録を更新しつつあり、全世界における2021年通年の興行収入トップになる可能性が出てきたという。

ドイチェ・ベレ記事によると、多くの韓国人は同作品について「中国政府が資金援助した、事実とは異なる歴史に満ちた、もう1本の宣伝映画だ。その目的は、若い世代に強烈な愛国感情を呼び起こすことだ」と見なしているという。

「もう1本」というのは、同じく朝鮮戦争を扱った映画作品で、2021年9月に韓国国内で公開予定だった「金剛川」(邦題:バトル・オブ・ザ・リバー 金剛川決戦)が、韓国の退役人員と政治家からの強烈な反対により公開が取りやめになったことによる。

ドイチェ・ベレ記事によると、ソウル市内で国際業務を扱う法律事務所に勤務する韓国人女性は「中国は経済面で強大であり、隣国に対してますます攻撃的になっている。中国人は、強大な国力は歴史を変える権利を持つと考えているように思える」、「この作品は、中国軍が朝鮮戦争の重要な戦いで、犠牲を顧みずに最終的に米軍の阻止に成功したことを描写しているが、戦争は朝鮮軍の南への侵攻で勃発したことについて、ほとんど説明していない」と批判したという。

また、戦争勃発時には10歳だったという韓国の元外交官は、同作品を「うそ八百のプロバガンダ」と批判。さらに「中国軍は北朝鮮のために戦って米国の侵略を阻止したと言うが、中国中央は自らの利益のために行動したのだ。彼らは国境の向こうの朝鮮半島が、米国の支援を受けて統一されることを望んでいなかった」と指摘した。

記事によると同元外交官は、「中国当局は戦争前と戦争時期に発生したことを変更しようとしている。とても危険だ。なぜなら、一般の中国人はこれがプロバガンダと知ることができないからだ」と指摘し、さらに自分自身が住んでいた村やその周辺地域の人々は戦闘をはっきりと覚えており、「われわれ韓国人は、北朝鮮人と中国人による攻撃と侵略に遭遇したと知っている」と述べたという。(翻訳・編集/如月隼人)