「イカゲーム」が映し出す韓国社会の残酷な現実―華字メディア

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2021年10月14日、日本華僑報網は、世界的にヒットしている韓国のネットドラマ「イカゲーム」が映し出す、韓国社会の残酷な現実について紹介する記事を掲載した。以下はその概要。

韓国のネットドラマ「イカゲーム」について、配信している動画サイト・ネットフリックス(Netflix)が「放送開始直後の視聴者数が史上最高を記録した」と発表した。同作品は9月17日の配信開始から4週間足らずの間に世界でのべ1億1100万人が視聴し、世界94カ国で同サイトのデイリー視聴ランキングに名前を連ねているという。世界的なヒットとなった同作品だが、そこには韓国社会の厳しい現実が映し出されている。

同作品は、莫大な負債を抱え、進む道のなくなった社会の底辺にいる人物が「だるまさんがころんだ」や「綱引き」など6つのゲームにチャレンジし、敗退者はその場で射殺され、最後まで勝ち抜いた1人に巨額の賞金が与えられるという内容だ。過去にも似たような題材の作品は数多く世に出されてきたが、同作品がこれほどまでに注目されているのは、新型コロナによって社会、経済、さらにはプライベートの生活でさまざまなダメージを受ける中で、人々がこのようなストーリーに強いリアリティーを感じ、共感するようになったからだ。

同作品からは、韓国における貧富の差が深刻化していることもうかがえる。数百人ものプレーヤーが地獄のような苦しみから逃れ、たった1人の「勝者」となるためになりふり構わず戦うというのは、韓国という財閥社会の底辺で過激な競争環境に晒されながら人としての尊厳をすり減らしていく悲惨な現実を描いたものなのだ。韓国当局が8月に発表した統計によると、今年第2四半期に所得の上位20%に位置する人々は所得が増加し、逆に下位20%の人々の所得が減少したことが明らかになり、貧富格差の拡大が浮き彫りになった。

そして、同作品は韓国の社会階級が固定化している現状も映し出している。韓国には「人は金、銀、銅、木、プラスチックなど、それぞれ異なるスプーンを持って生まれてくる」とされる「スプーン階級論」なる言葉が存在し、恵まれた家庭環境、すなわち「金のスプーン」を持って生まれてきた人は高い質の教育が受けられ、就職にも困ることがなく「人生の勝ち組」であり続けることができるのに対し、苦しい家庭環境に生まれた人は高等教育を受けてもローン返済、就職難、借金増という苦しみに苛まれ、いくら努力してもその環境から抜け出すことができないという状況を指すのに用いられる。同作品ではこのような韓国社会における階級の固定化が随所に表現されており、参加者は単に賞金を獲得するためではなく、固定化された階級の壁を突き破って人生を変えるためにゲームに挑むのだ。

実のところ、貧富格差の拡大、社会階級の固定化は韓国だけではなく、多くの先進国や地域にも存在する問題だ。同作品を通じて、これらの問題をどうやって解決すべきかについて考えるべきだ。(翻訳・編集/川尻)