新人3人が上位独占 湯河原町議選 観光、福祉に意気込み

 13日に投開票された湯河原町議選は、候補者中で最年少の新人松井一寿さん(27)がトップ当選し、2、3番手も新人が独占した。選挙戦では、有権者から世代交代を期待する声も上がっており、結果的にそれが追い風になったともいえる。一夜明けた14日、新人3人はそれぞれ町政への意気込みを語った。

 少数激戦となった今回は定数14人に対して17人が出馬。現職は11人が全員当選したが、上位を新人3人が占めた。

 「多くの期待をいただき、重みを感じている」というトップ当選の松井さんは1301票を獲得した。2014年末に小田急箱根ホールディングスを退職、家業の鮮魚店で働きながら臨んだ今回の選挙では、基幹産業である観光業活性化を目的にした産官学一体となった人材育成を公約の柱の一つに掲げ戦った。27歳という若さも武器となった。「町民が幸せを感じられ、来訪者も喜ぶ町づくりを目指したい」と意気込みを語った。

 2番手は1170票で石倉幸久さん(63)、3番手は1146票で共産の並木まり子さん(64)が入った。

 2012年から町商工会長を務める石倉さんは選挙戦で観光業、商工業、農業といった地場産業の魅力の町内外への発信などを訴えた。「観光振興において他自治体の成功例に学ぶなどして、町に客を呼び込みたい」と抱負を語った。

 看護師としての長いキャリアを持つ並木さんは国民健康保険料の引き下げ、中学校卒業までの医療費の無料化、コミュニティバスの充実などを公約の柱にした。「町民の声を聞き、町政に生かしていきたい」と述べた。

 町内の70代の自営業の女性は「若手も加わったので新しい風を期待したい」と話していた。当選証書を付与 13日に投開票された湯河原町議選の当選証書付与式が14日、町役場で行われ、当選者14人が期待と緊張の入り交じった顔で当選証書を受け取った。

 神永繁町選挙管理委員会委員長が「町の発展と町民の生活向上に向けた活躍を期待している」と話し、当選証書を手渡した。

 今回の選挙では現職11人、新人5人、元職1人が立候補。現職全員、新人3人が当選した。

 投票率は56・97%で、補選を除くと過去最低だった前回の60・70%を3・73ポイント下回った。

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