トヨタのSUV攻勢も最終段階にやってきたようだ。大衆車ブランドの王道ど真ん中に位置する“カローラ”にもコンパクトSUVモデル「カローラクロス」を導入してきた。2021年9月14日に発売されたばかりの新型カローラクロスは、1.8リッターガソリンと同ハイブリッドの2つのパワートレインを設定。価格もガソリンモデルなら、コンパクトカー並みの199万9000円から264万円と、驚きの低価格路線で攻めている。いっぽうハイブリッドには4WDモデルも設定されるなど、絶妙なすみ分けもなされている印象。果たしてカローラクロスで買うべきはどのタイプなのだろうか。ここで改めて整理してみよう。
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「比べてみるとカローラクロスがちょうどいい」と思わせるサイズ感や価格設定
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トヨタ 新型カローラクロスは、2018年に登場したカローラスポーツ(ハッチバック)、2019年に登場したカローラ(セダン)、カローラツーリング(ワゴン)に次ぐ新型カローラシリーズの第4弾モデル。カローラとしては初のコンパクトSUVモデルとなる。価格は199万9000円から319万9000円(消費税込み)だ。ちなみに200万円から300万円の価格帯は、現在の日本で最も売れ筋のポジションだ。
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カローラクロスの車体の大きさは、コンパクトカーのヤリスをベースとした「ヤリスクロス」と、ミディアムクラスSUV「RAV4」のちょうど間。価格帯も179万8000円から281万5000円のヤリスクロスと、274万3000円から402万9000円のRAV4の中間位置だから、多くの人が「カローラクロスがちょうどいいのかも」と思わせる絶妙な設定がなされていることが分かる。
ガソリンとハイブリッドの価格差は35万円! 燃費の差はリッターあたり12キロも差がつく
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それでは、新型カローラクロスの中ではどうだろうか。ガソリンモデルとハイブリッドモデルを詳しく比べてみよう。
カローラクロスのグレード構成は「G」「S」「Z」の3タイプが基本。ガソリンモデルはFF(前輪駆動)モデルのみの設定で、3タイプのほかにベーシックな「G“X”」も設定される。これが199万9000円のお買い得モデルだ。
いっぽうのハイブリッドはFF(前輪駆動)と4WD(E-Four)が選択出来るが、G“X”の設定はない。
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価格は、ガソリンのGが224万円、Sが240万円、Zが264万円。ハイブリッド(FF)はそれぞれ35万円高だ。さらにハイブリッドE-FuorはハイブリッドFFに対し20万9000円高となる。
ちなみにガソリンFFモデルのカタログ燃費は14.4km/L。これに対しハイブリッドFFモデルのカタログ燃費は26.4km/Lと、圧倒的な燃費差がある。ハイブリッドはエコカー減税でおよそ2万2500円ほど優遇されるものの、35万円の価格差をガソリン代の差額だけで埋めるには相応の走行距離を刻まないとならない。
燃費の差も重要だけど…意外と違うガソリンとハイブリッドの性格! ぜひふたつとも試乗車で乗り比べて欲しい!
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筆者は先日の取材で、カローラクロスのガソリンモデルとハイブリッドモデル(共にFF)を乗り比べる機会を得た。グレードはどちらも最上級のZ。
撮影で都内から首都圏近郊まで往復した際の燃費は、ガソリンモデルで12km/L強、ハイブリッドモデルでおよそ22km/Lだった。特に燃費を意識しない走り方でもこの圧倒的な数値差だ。これを見てしまうと、35万円高くてもハイブリッドの優位性を感じざるを得ない。また燃費以外にも、モーター走行による静かさやスムーズな加速感もハイブリッドの魅力である。端的に言うと「上質」なのだ。
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しかし対称的に、ガソリンモデルにも魅力があった。ハイブリッドと比べ車体が軽いせいかハンドリングがさらに軽快で、かつ乗り心地も良好。アクセルを軽く踏み込んだ際のエンジンの吹け上がりも良く、街中を走っていても心地良い。日常的に気軽に乗れるボディサイズのカローラクロスだから、こうしたことも重要な要素のひとつではないだろうか。
カローラクロスを検討しているなら、ぜひ販売店の試乗車でハイブリッドとガソリンモデルを乗り比べてみることを強くオススメする。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:茂呂 幸正・TOYOTA]