一般受験生だけでインハイベスト16 安田学園卓球部の強さの秘訣は“仲の良さ”と“ミーティングの短さ”

今回は東京都の安田学園高校卓球部にお邪魔した。全国中学校卓球大会団体戦に初出場した“黄金世代”が高校3年生となった2021年インターハイでは、学校対抗ベスト16、エースの伊藤礼博がシングルスベスト16とランク入りを果たした。

成績を見ると強豪校にも関わらず、練習の雰囲気を見ると良い意味で“普通の部活”という感じがした。監督や生徒に聞いても「授業後に週6回の練習はあるが土曜日も半日授業があるため、そこまで練習時間は長くない」「テスト1週間前には部活は休みになる」といわゆる一般的な学校生活の、普通の部活動だ。

では、なぜそこまで強くなれたのか。

安田学園高校卓球部の特徴を知るべく、行田和広監督、主将の廣田遼太朗(3年)、エースの伊藤礼博(3年)に話を聞いた。

【安田学園高校卓球部】東京都の中高一貫校。2021年のインターハイには東京都予選を2位通過し出場。インターハイ学校対抗でベスト16入り、シングルスで伊藤礼博がランク入りを果たした。中学卓球部も強く、2018年、2019年には全国中学校卓球大会で団体英、2021年はベスト8に入っている。

全員一般受験生でインターハイ学校対抗ベスト16

写真:行田和広監督 安田学園高校卒業生で日本体育大学から一般企業を経て2008年から安田学園高校卓球部の顧問に/撮影:槌谷昭人

2021年のインターハイでベンチに入った行田監督

安田学園高校卓球部のメンバーは自分たちで練習相手を決め、メニューもこなしていく

「入部届を持ってきた時に『卓球やったことあるの?』って聞いたら『はい!ゲームセンターで』と言われました(笑)」

「卓球は子どもらしく。私生活は大人っぽく」

写真:行田和広監督(安田学園高校)/撮影:槌谷昭人

練習中のミーティングも手短に行われていた

行田監督は練習中、個々人に声をかけて指導を行っていた

「仲が良くてみんなで高め合えるチーム」主将・廣田遼太朗

続いては3年生主将の廣田遼太朗に話を聞いた。中学から安田学園に入り、6年間過ごしてきた廣田は安田学園卓球部をどう語るのだろうか。

写真:廣田遼太朗(安田学園高校)/撮影:槌谷昭人

インターハイでもレギュラーとして学校対抗ベスト16に貢献

練習ではオールフォアフットワークを撮影させてくれました

エース・伊藤礼博「仲の良さは安田学園の強み」

安田学園のエースを務めた伊藤にも話を聞いた。インターハイ学校対抗ではシングルス全勝でチームをベスト16に導き、シングルスでもランク入りを果たした。

今は受験勉強に重きを置いているとのことで、今回の取材のために1週間ぶりに卓球部の練習に参加してくれた。

写真:伊藤礼博(安田学園高校)/撮影:槌谷昭人

写真:伊藤礼博(安田学園高校)/撮影:槌谷昭人

「好きな科目は数学です」

インターハイシングルスではベスト16に入った

行田監督「社会に出たときに困らない生徒を育てていきたい」

最後に行田監督にチームの目標を尋ねた。

写真:練習を見守る行田和広監督(安田学園高校)/撮影:槌谷昭人

行田監督と生徒の対戦 生徒が勝てばその日のトレーニングの量が多くならずに済むという特別マッチ

中高一貫の安田学園は、中高が一緒に練習をする。仲が良く学年の分け隔てがないため、強い高校生と中学生が練習することもあり、中学、高校ともにチーム全体が強くなっていくのだろう。

主将の廣田やエースの伊藤、中川ら高校3年生が築いてきた「自ら考えて短期集中で手を抜かない」というスタイルは、下の学年の成績にも表れており、今後の安田学園卓球部も楽しみだ。

取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)

© 株式会社ラリーズ