巨人の歴史的大失速の元凶は「特攻ローテ」 球界関係者はG首脳の〝機能不全〟を指摘

巨人・原監督に軌道修正を進言できるコーチはいなかったのか。左は阿部作戦コーチ、右は元木ヘッド(東スポWeb)

歴史的大失速の根本原因はどこにあるのか。3位・巨人が引き分けを挟むまさかの10連敗で、Bクラス転落の危機に直面している。4位の広島に猛追を許し、CS進出まで危ぶまれる事態に…。今月は極度の打撃不振もブレーキに拍車をかけたが、多くの球界関係者から挙がるのは1か月半も続けた「特攻ローテ」。戦略の見直しも可能だっただけに、首脳陣の〝機能不全〟も指摘されている。

ヤクルト、阪神との優勝争いから脱落し、現在は球団ワースト3位に並ぶ10連敗中。大ブレーキがかかったのは9月以降で、9月は6勝14敗5分け、10月の2勝10敗2分けで最大15あった貯金は底をつき、借金2となった。残り4試合となり、原辰徳監督(63)は「それ(連敗)は現実として(受け止めて)ね。まだ残り試合があるわけだから、そっちの方向を向いていくしかない」。一方で、指摘される失速の要因について多くの球界関係者が挙げているのが、宮本和知投手チーフコーチ(57)が「中5計画」と命名し、9月1日から導入してきたローテの継続だった。

急きょ登板回避した10月2日の山口を除き、先発陣を菅野、山口、戸郷、高橋、メルセデスの5人に限定。6連戦初戦を投げた投手は、中4日で6戦目に先発するサイクルを続けてきた。

「中5日がすべて悪いとは思わない。正念場で勝負をかけるのは当然」としたセ球団関係者は「ただ、1か月半は長すぎる。ある程度は球数を管理しても、アクセルを踏みっぱなしでは選手に疲れは出てくる。巨人なら二軍で今村なども待機していた。6人に戻した後、もう一度中5日にしてアクセルを踏むことも可能だった」と話す。

また、あるコーチ経験者は「首脳陣はこれだけの期間を中5で回しても実力を発揮できると、選手を信頼していたとも言える。けれども、結果が伴わない以上、途中で中5日から軌道修正しようという勇気を持てなかったのか。そういったことをコーチ陣は原監督に進言できたのかどうか。選手は首脳陣に言われたところで投げる以外にない。ベンチの問題と言われても仕方がないでしょう」と指摘した。

9月1日以降、先発投手に白星がついたのは5試合しかなく、菅野が3勝、戸郷と高橋が1勝ずつとなっている。まずは連敗を止めてCS進出を確実なものとしたいが、果たして――。

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