イグレシアスはRソックスに不可欠な存在 来季残留の可能性も

ワイルドカードからリーグ優勝決定シリーズまで勝ち上がったレッドソックスは、10月に入ってシーズン終盤に活躍した選手1人を失ったものの、代わりにコーチ1人を手に入れた。その男の名はホゼ・イグレシアスだ。9月に入ってからレッドソックスと契約したため、ポストシーズンの出場資格を持たないイグレシアスだが、チームへの影響力の大きさを評価されてタクシー・スクワッド(予備登録選手)に名を連ね、ベンチ入り。時にはコーチとして、時には応援団長として、存在感を発揮し続けている。

日本時間9月4日にエンゼルスを解雇されたイグレシアスは、その3日後にレッドソックスと契約。2013年以来8年ぶりの古巣復帰となったが、レッドソックスは新型コロナウイルスのクラスターが発生したことにより二遊間を守れる選手が不足し、誰でもいいから二遊間を守れる選手がほしいという状況だった。つまり、イグレシアスはその時点で「コロナ感染者が復帰するまでのつなぎ役」に過ぎなかったのだ。

ところが、イグレシアスはレッドソックス復帰後の23試合で打率.356(59打数21安打)、1本塁打、7打点、OPS.915をマークする大活躍。当初は遊撃を守り、正遊撃手ザンダー・ボガーツが戦列復帰したあとは二塁へ移ってポストシーズン争いのなかでレギュラーとして出場を続けた。

レイズとの地区シリーズ第4戦では、9回裏無死1塁からクリスチャン・アローヨが送りバントを決めたことがサヨナラ勝ちにつながったが、アローヨにバント指導を行ったのはイグレシアスだった。イグレシアスはこの試合の数日前、アローヨのバントの欠点を指摘。それが大一番での重要な送りバント成功につながったというわけだ。また、イグレシアスは同僚がホームランを打った際にダグアウトで同僚を乗せたカートを押し、チームを盛り上げる役割も担っている。

アレックス・コーラ監督は「彼がいなければ、我々は今ここに居られたかわからない。コミュニケーション能力、野球の理解度、試合への集中力など、素晴らしい存在だ」とイグレシアスを絶賛する。「彼はプレーできないけど、大きなインパクトを残している。いつも野球の話をしているんだ。チャンピオンリングを手に入れるために自分の役割を果たしている」というコーラの言葉を聞く限り、今季終了後にFAとなるイグレシアスにはレッドソックス残留のチャンスもありそうだ。

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