カージナルス監督解任の理由は依然不明 モリーナ「問題はなかった」

球団新記録の17連勝を達成して3年連続のポストシーズン進出を果たしたカージナルスは、マイク・シルト監督の解任を発表して球界を驚かせた。ジョン・モゼリアック編成本部長は解任の理由を「哲学的な相違」と説明したが、多くを語っておらず、憶測ばかりが広がっている。解任後、現在に至るまでコメントを拒否しているシルトは、日本時間10月19日に公式声明を発表する予定となっており、そこで具体的な理由がようやく明らかになるかもしれない。

「ジ・アスレチック」でカージナルスを担当するケイティ・ウー記者によると、モゼリアックとシルトのあいだに緊張感が漂い始めたのは、カージナルスが勝率5割前後をウロウロしていたシーズン半ばだという。チームの成績がなかなか上がらなかったこと、トレード・デッドラインで大きな補強がなかったこと、フロントオフィスがチーム運営にアナリティクスをもっと取り入れたいと考えていたこと、シルトの指導方法やコミュニケーション方法をめぐってコーチとの関係性が悪化しつつあったことなどが具体的な要因として挙げられている。

シルトはウー記者とテキストメッセージでのやりとりを行っており、コーチとの関係性の悪化については否定。その他の要因については認めつつも「全体像ではない」としている。名門カージナルスを率いていくうえで、シルトの考え方とフロントオフィスの方針のあいだに乖離があったことは間違いなさそうだ。

シルトの解任が大きな注目を集めるなか、カージナルスのコーチや選手は口を閉ざしていたが、正捕手ヤディアー・モリーナはプエルトリコで自身がオーナーを務めるバスケットボール・チームの応援に訪れた際、取材に応じた。「驚いたよ。とてもいいコミュニケーションを取ることができていたし、4年間で3回もポストシーズンに進んだからね。監督と経営陣のあいだに何か問題があったのかもしれない。でも、僕が知っている限り、クラブハウスには何の問題もなかった」とモリーナは語る。

モリーナは現役最後の1年をプエルトリコ人監督のもとでプレーすることに興味を示しており、カージナルスで長年にわたってコーチを務め、現在はマイナーの内野守備インストラクターを務めているホゼ・オケンドー、あるいは2020年に1試合も指揮を執ることなくメッツの監督を解任されたカルロス・ベルトランが新監督候補に浮上する可能性もありそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.