新車の「ホンダ フリード」購入予算200万円台で、輸入コンパクトミニバン「VW ゴルフ トゥーラン」を買う選択肢もアリ![どっち買う!?]

SUV の販売比率が高くなった現在でも、ミニバンも依然15%程度のシェアをキープしている。中でも、手頃なサイズと価格感で人気なのが、「コンパクトミニバン」のジャンルだ。代表格は「ホンダ フリード」。3列シートを持ちながらも全長を約4.2mに抑え「ミドルサイズミニバンでは大きい」というユーザーの嗜好に合致し大ヒット中。現行型の発売開始から5年が経過した現在でも、月5000台以上を売り新車販売ランキング10位以内に食い込んでいる。そんなフリードは新車で概ね200万円台に収まる。そこで今回、同一価格帯で買えそうな輸入中古車として、コンパクトミニバン「フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン」に注目してみた。

VW ゴルフトゥーラン

ゴルフ譲りの高品質・操縦安定性、豊富な装備を誇るコンパクトミニバン「ゴルフ トゥーラン」

現在新車で販売中のゴルフ トゥーランは、2016年デビューの2代目だ。フォルクスワーゲンの新プラットフォーム「MQB」上に構築された、背が高い車体内には、3列・7人分のシートを備える。フォルクスワーゲンの中核車種「ゴルフ」と同様、150psを発生するガソリンの「TSI」、150psパワーと19.3km/hという好燃費を両立したディーゼルターボの「TDI」という2種類のエンジンを用意。これに「トレンドライン」「コンフォートライン」「ハイライン」「Rライン」という順にグレードを組み合わせる。余談だが、ドイツ本国では単に「フォルクスワーゲン トゥーラン」と称されており、ゴルフ トゥーランという車名は、日本でのオリジナルである。

3年落ち・走行3万キロ以下・200万円台の予算で高年式・低走行のゴルフ トゥーランの中古車を探そう!

フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーランの検索にあたり、価格をホンダ フリードの中心販売価格帯200万台に設定。古い年式や距離が多い個体だと、トラブルの可能性も高くなるため、年式は3年落ち、走行距離は3万キロとした。

走行距離3万キロ以内、2018年までの「フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン」の中古車を検索!

▼中古車検索条件▼

・メーカー車名: フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン

・モデル:2016年式モデル

・年式:平成30(2018)年~令和3(2021)年

・走行距離:~最大3万キロまで

・価格帯: 200万円台

・修復歴:なし

(2021年10月17日現在 MOTA調べ)

走行1万キロ台やディーゼルモデル、Rラインも選べちゃう!?

上記条件で検索したところ、63台が結果に表示されたので、この内訳を詳しく見てみよう。(2021年10月17日現在 MOTA調べ)

エントリーグレードのトレンドラインは、事実上の受注生産車で流通が少なく、検索されなかった。続くコンフォートラインとハイラインがほぼ半分ずつを占め、わずかにスポーティなRラインが入ってくる、という印象。走行距離1万キロ以下や1万キロ台の低走行車が多いのも魅力的だ。

エンジンの面ではTSIがメインだが、欧州車らしさを感じられるディーゼル版のTDIも、250万円台以降になると、少なくない台数がヒットする。 2018年1月時点での新車販売価格は、TSIではコンフォートラインが335.5万円、ハイラインが395.1万円、Rラインは401.2万円、TDIではコンフォートラインが376.8万円、ハイラインが415.5万円だった。参考までに、TDIハイラインの最安値は、2018年式・2.6万キロ・車検2年付き・ディーラー認定中古車という好物件で248万円。ということは、3年で約4割も値落ちしていることになる。

写真は「ハイライン」

なお、コンフォートラインとハイラインでは性能面で違いは少ないものの、内外装の仕立てが異なっており、後者ではメッキの加飾が増えていてホイールも大径になるなど、質感がぐっと良くなる。安全装備も標準設定が多く、可能ならハイラインを選びたいところだ。新車での60万円近い価格差は、中古車ではあまり意識されない。物件の良し悪し・店ごとの値付けで吸収されてしまうためだ。

また、ゴルフ トゥーランの中古車では、コンフォートラインの外観をきらびやかに演出する「アップグレードパッケージ」や、ハイライン・RラインにさらにダイナミックコーナリングライトやLEDテールランプを付加する「テクノロジーパッケージ」などのセットオプションのほか、フルセグTVやバックカメラ、純正ナビなど豊富な装備を持つ物件が多く、お買い得感はさらに高まっている。

大きすぎず、かつ車格や所有感があがる「ゴルフ トゥーラン」はいかが?

ゴルフ トゥーランの全長は約4.5mあり、3列目のシートもより実用的になっている。たしかにフリードより大きいが、それでもトヨタ ノアや日産セレナ、ホンダ ステップワゴンの約4.7mよりはずいぶん短く、大き過ぎないサイズは堅持しているように思う。一方で、ゴルフ トゥーランの全幅は1.8mオーバーなので、「小さいからフリードやトヨタ シエンタを買う」という趣旨からは外れてしまうのも確かだ。

ハッチバックのゴルフに比べワンランク上の余裕がある2列目席, ミニマムだが十分に実用的な3列目席
ハッチバックのゴルフに比べワンランク上の余裕がある2列目席, ミニマムだが十分に実用的な3列目席

しかしゴルフ トゥーランなら、ハッチバック車のベンチマーク「ゴルフ」譲りの走行安定性・コーナリング性能などに、欧州車らしさを強く実感することができる。2018年以降の物件なら、コンフォートラインから上のグレードには「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」も標準で装備され、安全性能も充実している。カッチリと設えられた高品質の内外装からは「イイモノ」感が強く漂い、買ったあとの所有感を大いに高めてくれるだろう。

それがフリードと同一価格帯が買えるのだから、中古車というのはやはり奥が深い。この記事を読んで「思ってもみなかった選択肢もあるのだな!」と、思ってもらえたら幸いだ。

[筆者:遠藤 イヅル/撮影:茂呂 幸正・和田 清志・フォルクスワーゲングループジャパン]

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